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お茶の花の花盛り

(花盛りの茶畑)

日曜日、散歩の途中、道端の茶畑に、白い花がびっしりと付いていた。近年、自宅近くの茶畑にはお茶の花がたくさん咲くようになった気がする。お茶はツバキ科の樹木だから、本来冬に花を咲かせる。白い茶花はツバキに似ているが、花びらはツバキほど大きくしっかりしていない。茶畑に咲いている花を見ると黄色いおしべばかり目立って、花びらのしっかりしたものを見つけるのは難しい。


(お茶の花)

花は子孫を残す手段で、樹勢が弱ってくると花を咲かせて実を付け、子孫を残そうとする。花を咲くような茶園は肥料不足で管理が悪く、樹勢が弱っている証拠であるといわれる。花を咲かせて実をつけると、そちらに樹勢をそがれて余計に元気が無くなる。茶農家にとっては来春の一番茶の生育に大きく影響するから、花が咲くのを良しとしない。おばあさんなどは恥ずかしいといって、花を取って回るという。花を取れば実はつかないから、そちらに栄養を持って行かれることはない。だから、来春の一番茶の生育にはプラスである。

本来、茶の木は休眠しているように見える冬場に養分をしっかりと根に蓄え、春に新芽を出す準備をしている。この時期に肥料不足を露呈してしまうのは何と言ってもまずい。しかし、過剰な肥料が土壌や地下水を汚染して問題になり、茶農家はたっぷりと肥料をやることが出来なくなっている。だから、花盛りの茶園も黙って見ているしかないのかもしれない。花を摘み取っていたおばあさんも、冬でもいろいろ忙しいから、そんな生産性の悪い仕事は出来なくなっている。

お茶の花をそのまま置けば、ツバキのような大きな実をつける。昔は子供たちが実を集め、買い取ってもらった。茶の実を絞った油が有用であったという。お茶の相場が下がって、茶農家が苦しんでいる現在、逆手を取って、油の用途開発を考え、茶の実を思い切り生産してみたらどうだろうか。お茶の葉にこれだけ有効成分があるのだから、お茶の実から取った油に有効成分が無いはずがない。健康食品、化粧品、薬用などいろんな用途に使えそうな気がする。自動車の燃料にする事だって不可能ではないではないか。生産する気になれば、即、ツバキ油の比ではないほど大量生産が出来ると思うのだが。
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