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アインザッツとアンザッツ

2012年10月23日 | 日記
昨日、今日と男性のレッスンが続きました。私はソプラノなので、バリトンやバスの音域は実声では全く出ません。W先生は男性のレッスンをする時は地声で教えるとおっしゃっていましたが、メゾソプラノW先生でもそうなのですから、私はなおのことそうせざるを得ません。テノールの場合はメゾの音域と割と近いので分かりやすいけれど、バリトンの場合、女性の指導者が裏声で歌ってみせてもピンと来ないのだそうです。確かにそうですよね。
前回上京した時に「男性の方の教え方を教えて下さい」とお願いしたところ、地声の出し方を教えて下さいました。1.椅子に深く腰掛ける。2.背もたれを背中で押すようにする。3.お腹は前へ突き出すようにする。4.口蓋垂を引き上げる。5.下あごをラクにして地声を出す。こうすると喉が痛くなりません。地声は胸声とも言うぐらいですから、声が胸板に当たっています。しかしこうすると息が喉にひっかからずに上へ抜けてくれるのです。
W先生が「アインザッツ」と「アンザッツ」についてレクチャーをして下さったことがあります。アインザッツはフレーズの最初のきっかけのことです。身体を外側に開いて口の奥を深く拡げ、息を素早く後ろから上へ回して、声が頭の上で鳴るようにするのがアインザッツの取り方です。
一方、「アンザッツ」は声が当たる場所のことなのだそうです。高い声は額に、低い声は胸に当たります。無論、声は骨に当たって鳴るので頭蓋底や背骨や腰骨が鳴るのですが、胸にも響きます。W先生は、「非科学的な表現だけれど、息と声を分けて考えると分かりやすいのよ」とおっしゃいました。つまり、息は常に上に超高速で抜けていないといけない(呼気は常に垂直方向に上げる)が、声は音域によっては胸に落とす、ということです。
私は最初、息を上へ抜きながら声だけ胸に落とす、という意味がよくわかりませんでした。しかし男性の方たちを教えながら実際に地声を出してみせているうちにわかるようになりました。このやり方だとあまり喉に障りません。とは言え、地声は声帯を厚く使うので、声帯にかかる負担が大きいことは事実です。決して声を前へ押し出そうとせず、口蓋垂をしっかり引き上げておけば大丈夫。
地声と頭声のミックスの仕方や加減の仕方も教えて下さいましたが、私はまだこれがあまりうまくできません。先日W先生の個人レッスンを受けたメゾソプラノの方は実に見事にできていました。声帯の厚さ(重さ)が多少ある方がうまくいくのかもしれません。私も、特に男性の方のために裏声、ミックス、地声をスムーズに連結する方法をマスターしたいと思います。

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