数日前、Tさんという70歳の男性が数か月ぶりにレッスンにみえました。この方、小学校の頃に言われた先生の言葉で、自分は音痴だと思いこんでしまった方です。大の歌好きの奥様に連れられて我が教室の門を叩かれました。
年齢が年齢ですし、これまで歌うことを避けてこられただけに声帯が少し固まってしまってスムーズに動かなくなっていましたが、とても熱心で、数ヶ月でなかなかいい感じになってきていました。ところが冬場になって、子どもの頃に怪我をした左顎に痛みが出たとのことで、ここしばらくお休みしていらっしゃったのです。
もう大丈夫みたいだから、ということで先週の水曜日に久し振りにレッスンに来られました。身体のストレッチ、舌のストレッチ、顔筋のストレッチなどを十分にやってから実際に声を出してレッスンをしましたが、数か月のブランクはほとんど感じられません。身体がちゃんと覚えているようです。そこで実際に歌いながら音程のチェックをすることにして、なるべく音の数が少なく動きも少ない曲という意味で「ふるさと」を教材にしました。
私がピアノでメロディを弾くのに合わせて歌って頂くのですが、途中で音が微妙にずれていきます。ご自分ではずれていることがわからないようです。ところが、その「ずれ」が不思議とちゃんと(?)3度とか4度の協和音になっているのです。「音痴」ではない証拠ですね。ずれている音に私の声を合わせ、そこから正しい音程へスライドさせて修正します。何度かやったら正しく歌えるようになりました。ご自分では「今のは合っていた」とか「さっきのはずれていた」という区別がつかない、とおっしゃいますが、「いずれ必ずわかるようになりますから安心して下さい」と言ってレッスンを終えました。
そうしたら翌日、「先生、よろしかったら土曜日にレッスンに行っていいですか」とお電話がかかってきました。中2日ですが「どうぞ」とお受けしました。
昨日来られたTさん、レッスン前に嬉しそうに「実は先日のレッスンの後、家内に「今日はどうだったの?」と訊かれたので、「ふるさと」の練習をした、と言ったら「それじゃ、ちょっと歌ってごらんなさい」と言われたんです。それで歌ってみせたら「パーフェクトよ!あなたが正しい音程で1曲歌いきるのを初めて聴いたわ」と言われましてね、とても喜んでくれました。私も大変嬉しかったです」とおっしゃるのです。私も感動してしまいました。
人間、何歳になっても向上できるんですね。Tさんは努力家で、レッスンでやったストレッチなどを毎日家で復習しているそうです。レッスンが楽しい、と言われ、「来月は他県に長期滞在するので、今月のうちに6回レッスンに来たいと思っています」とおっしゃっていました。
コンプレックス解消のお役にたてるのは本当に嬉しいですね。人生が明るくなるお手伝いができるのですから。私にも数々のコンプレックスがありますが、克服する努力より避けて通る方を選んでしまいます。人はついつい安易な方に流れるものですよね。ですから、70歳になって音痴を克服しようという前向きさに敬服してしまいます。
うちの生徒さんは私より年長の方が多いので、人生に対する姿勢という点で大変学ぶところが多いです。私も生徒さん達を見習って前向きな生き方をしたいと思います。
年齢が年齢ですし、これまで歌うことを避けてこられただけに声帯が少し固まってしまってスムーズに動かなくなっていましたが、とても熱心で、数ヶ月でなかなかいい感じになってきていました。ところが冬場になって、子どもの頃に怪我をした左顎に痛みが出たとのことで、ここしばらくお休みしていらっしゃったのです。
もう大丈夫みたいだから、ということで先週の水曜日に久し振りにレッスンに来られました。身体のストレッチ、舌のストレッチ、顔筋のストレッチなどを十分にやってから実際に声を出してレッスンをしましたが、数か月のブランクはほとんど感じられません。身体がちゃんと覚えているようです。そこで実際に歌いながら音程のチェックをすることにして、なるべく音の数が少なく動きも少ない曲という意味で「ふるさと」を教材にしました。
私がピアノでメロディを弾くのに合わせて歌って頂くのですが、途中で音が微妙にずれていきます。ご自分ではずれていることがわからないようです。ところが、その「ずれ」が不思議とちゃんと(?)3度とか4度の協和音になっているのです。「音痴」ではない証拠ですね。ずれている音に私の声を合わせ、そこから正しい音程へスライドさせて修正します。何度かやったら正しく歌えるようになりました。ご自分では「今のは合っていた」とか「さっきのはずれていた」という区別がつかない、とおっしゃいますが、「いずれ必ずわかるようになりますから安心して下さい」と言ってレッスンを終えました。
そうしたら翌日、「先生、よろしかったら土曜日にレッスンに行っていいですか」とお電話がかかってきました。中2日ですが「どうぞ」とお受けしました。
昨日来られたTさん、レッスン前に嬉しそうに「実は先日のレッスンの後、家内に「今日はどうだったの?」と訊かれたので、「ふるさと」の練習をした、と言ったら「それじゃ、ちょっと歌ってごらんなさい」と言われたんです。それで歌ってみせたら「パーフェクトよ!あなたが正しい音程で1曲歌いきるのを初めて聴いたわ」と言われましてね、とても喜んでくれました。私も大変嬉しかったです」とおっしゃるのです。私も感動してしまいました。
人間、何歳になっても向上できるんですね。Tさんは努力家で、レッスンでやったストレッチなどを毎日家で復習しているそうです。レッスンが楽しい、と言われ、「来月は他県に長期滞在するので、今月のうちに6回レッスンに来たいと思っています」とおっしゃっていました。
コンプレックス解消のお役にたてるのは本当に嬉しいですね。人生が明るくなるお手伝いができるのですから。私にも数々のコンプレックスがありますが、克服する努力より避けて通る方を選んでしまいます。人はついつい安易な方に流れるものですよね。ですから、70歳になって音痴を克服しようという前向きさに敬服してしまいます。
うちの生徒さんは私より年長の方が多いので、人生に対する姿勢という点で大変学ぶところが多いです。私も生徒さん達を見習って前向きな生き方をしたいと思います。
やりたいことをするのに・・・年齢は考えなくてもいいんだなァ~~っと思うことが多いです。
何かをやったり、やりたいと思うときに・・・思考の出発点を「年齢」からスタート(始めに年齢有りき?)していた私でしたが・・・今は「始めに意欲有り?」に変わりました。