のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

問われたのは作者ではなく、出題者の気持ちです。

2010年08月31日 23時30分29秒 | 日常生活
昼過ぎ、ワタクシの席にずんずんと近づいてくる部長の姿を
横目で敏感にキャッチしました。

やばい!(本能的な危機意識。)
なにごと?!ワタクシ、何かしたっけ?
いや、何ができてないんだっけ?!

おおいに焦るワタクシに、部長から
が隣の部署の後輩君が書き上げた論文を渡されました。
あ。どうやら、ワタクシに関してのことではなさそう。
ほっと一安心したのも束の間。

「ちょっと、それをさらっとでいいけん、読んでみて。
 で、あなたの感想を聞かせて。正直な感想でいいけん。
 とりあえず、大急ぎで読んで。」

・・・は、はい。大至急ですね。大至急、っと。
あのー、大至急、読むことはできるのです。
が。
「正直な感想」に何を求められているのかがちっともわかりません。
えっと・・・。ヒント!ヒントだけでも!
「正直な感想」がどちらの方向にあるかだけでも教えてくださーい。
「よかった!」方向?「いまひとつ・・・。」よろしくない方向?

本当に「正直な感想」でよろしければ
もうひたすらに!ひたすらに!すばらしい論文だなー、と思うのです。
同じチームで働いたメンバーとして、
この半年間にあったいろんなこと、
綺麗ごとだけではおさまりきらないよしなしごとを
よくぞ、ここまで素敵な感じで書き上げたなー、と感嘆してしまいました。
しかも、書かれていることはすべて事実!
嘘も脚色も一切なし!
書き方と視点によって、ひとつのプロジェクトが
ここまで「いい感じ」「かっこよろしい感じ」に仕上がるのか、
とひたすらに尊敬しながら読み上げたのです。

ですが。
部長の口調や表情からは、「正直な感想」が
そっち方向であっているのかがまったくつかめません。
どっち?!こっちの方向であってますかー??

と、迷い続けましたが、結局のところ、結論を出せぬまま、
あたってくだけてしまえ!とばかりに、部長の席へ向かいました。
おそるおそる声をかけ、まずは事実のみをお伝えします。

「部長。先ほどの論文、ありがとうございました。
 読み終わりました。」

一拍おいて、万感の想いをこめて部長の目をまっすぐ見つめるワタクシ。
この想い、届けー!(届いた後、いいように脚色しちゃってくださいー!)

「そうやろ!すばらしかったやろ!」

届いたー!!
思わずガッツポーズをとりそうになりましたが、
すんでのところで、我慢、我慢。

あぁ!こちらであってましたか!よかったー!!
方向さえ分かれば、もう迷うことなく突き進めます。
もともと、こちらの方向に歩いてきてはいたのです。
ただ、確信が持てなかっただけなのです。
というわけで、部長と正真正銘、正直な感想を伝え合うことができ
非常に充実した気持ちで昼下がりを過ごすことができました。

そういえば、昔、国語の文章問題のラストに
今回と似たような問題があったような、なかったような。

「このとき、作者はどんな気持ちでしたか。
 20文字程度で簡潔に答えなさい。」

ワタクシ、これが非常に苦手でした。


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