のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

荒木右還暦書展

2012年03月26日 22時31分50秒 | 備忘録
高校時代の恩師から書展開催のお葉書をいただいたため、
県立美術展に行って来ました。
あ。恩師は荒木右さんではありません。
荒木右さんは恩師の書道仲間だそうで、
恩師も併催の六象会書展に二点出展されていました。

どうも私は、和紙が紡ぎだすあの柔らかな白と
墨汁のすっきりとした黒が生み出すシンプルなのに
まったく無機質ではない空間がとても好きみたいです。
言葉と漢字と字体、それぞれに「意味」があって、
それぞれの意味を補い合ってひとつの言葉を作り出すところも好き。
この字だから、こういう書き方をする、とか
この言葉だから、この筆を使って書き上げる、とか
空間全体を使って、言葉の意味を大切に表現しているところが興味深かったです。

その中でもっとも好きだったのが


「日々是好日」(右からお読みください。)
この画面全体に漂う飄々とした穏やかな雰囲気がとても好きでした。
見ているだけで、肩の力が抜けてくる。
会場をぐるぐるしては、何度もこの書の前に戻ってきました。

そして、


「日上月下」(右からお読みください。)
「日」という漢字のものすごく美しい丸加減に見とれました。
見れば見るほど「おひさま」って感じで、
書を見ているだけで思わず笑顔になりました。
「まる」って、なんだか醸し出す雰囲気が穏やかだなー。
漢字一文字一文字が、ちゃんと「意味」を持っていて
漢字は象形文字だってことを思い出させてくれました。
かわいい。

そして、正統派の


これまた素敵で。
荒木さんの自作の和歌だそうです。
歌も含めてすごくすごく好きでした。
「花一輪」の「一」が力いっぱいおっきく線がひかれていて
寒い寒い2月の終わりに花を「一輪」見つけて「春だ!!」
とテンションがあがるときの感じとか
「春香る」の「春」のにじみ具合に
空気がまだまだぱっきりと冷たいときに、
梅からふんわりと漂う花の香りの「ほわっ」とした感じとか
そういったものがすごく思い出されました。

そういえば、書道って準備が大変だったり
必ず洋服を汚してしまったりで
(って、それは私のうっかりが過ぎるせいですが。)
苦手でしたが、それでも書道の持つ凛とした空気や
墨汁の匂いは好きだったことも懐かしく思い返しました。

今でも、美しい字を書く人に出会うと、無条件で胸がときめきます。
その瞬間、魅力3割り増しで「素敵な人!」と思います。


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