のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

12月の読書

2010年12月31日 01時09分36秒 | 読書歴
2010年も通勤時間にたくさんの本と出会えました。
私の通勤時間を華やかに彩ってくれた本たちにただただ感謝です。
来年もたくさんの本と出会えますように。

159.夢を食った男たち/阿久悠
■感想 ☆☆☆
 サブタイトルは『「スター誕生」と歌謡曲黄金の70年代』。
 言わずと知れた名作詞家、阿久さんによる昭和の歌謡曲史です。
 読みながら、「昭和」は本当に元気な時代だったのだ、としみじみ
 感じ入りました。まさに「黄金」時代です。
 あとがきで阿久さんが昭和をあみだくじに、平成を巨大迷路に
 例えられていました。あみだくじはゴールまでの道のりが
 スタート地点でも、その途中でもなんとなく見えているし、
 ゴールまでの時間も短い。実に単純な構造だし、「それぞれが
 1本棒を書き足してよい」というような「支援」ができる。
 何よりどのスタートにも何らかの「ゴール」が存在する。
 それに対して、巨大迷路はゴールがひとつしかないうえに、
 そのゴールまでの道のりが実に複雑で、迷路の中にいる人は
 アドバイスのしようがない。迷路の外にいる人もアドバイスは難しいし
 何より、中にいる人にその声が届かない。中で迷っている人は
 ゴールも見えず、外にいる人の姿や声を確認する術もない。

 なるほどなぁ、と思わされました。昔ばかりがよかったわけではないし、
 昔がよかったからといって、もう昔に戻ることはできないけれど。
 私たちが何を失ったのか、今の私たちに何が必要なのか、そのあたりは
 きちんと自分自身で認識しておく必要があるかもしれない、と
 思いました。

160.RDG(1)(2)/荻原規子
■感想 ☆☆☆☆☆
 荻原さんの新シリーズ。面白さのあまり、先へ先へと急いで
 読み進めましたが、現在3巻まで刊行されて、そこで止まっているようです。
 年1冊のペースっぽいので来年の夏ごろに4巻が刊行。
 待ちきれません・・・。

161.シャドウ/道尾秀介
162.背の眼/道尾秀介
163.片眼の猿/道尾秀介
164.ソロモンの犬/道尾秀介
■感想 ☆☆☆
 職場の先輩から「道尾さん面白いよー。人間が描かれているよ。」
 というお勧めを受けて、手を出してみました。
 確かに面白いような。
 でも、のめりこむほどではないような。
 4作品読んでまだ自分の好みなのか、そうではないのかを
 掴み取れていません。しばらくは作品を手に取ってみようと思います。

165.光待つ場所へ/辻村深月
■感想 ☆☆☆☆☆
 久々のホワイト辻村です!辻村さんの青春小説群が大好きな人だったら
 小躍りして喜ぶであろう「あの人たちのその後」です。
 そのため、「冷たい校舎の時は止まる」「凍りのくじら」
 「ぼくのメジャースプーン」「スロウハイツの神様」「名前探しの放課後」
 などを既に読み終えている方のほうがより一層楽しめること間違いなし。
 私はやはり辻村さんといえば青春小説!と思っていますし、
 彼らに対する作者の優しく温かい視線が大好きです。

166.アコギなのかリッパなのか/畠中恵
■感想 ☆☆☆
 畠中さんの現代小説の中ではもっとも好きな作品となりました。
 代議士のセンセイ方を巡るちょっとした謎を解いていく日常ミステリ。
 ミステリ部分よりも代議士センセイ方の日常のほうが色々と
 興味深く面白いです。

167.ひとかげ/よしもとばなな
■感想 ☆☆☆☆
 過去のつらい体験にとらわれ、心に傷を抱えながら愛しあう二人。
 深い闇で起きたたくましい生命の復活を描く「祈り」の物語。

 という物語「とかげ」を14年ぶりに作者自身がリメイクしたものが
 「ひとかげ」です。1冊の中に「ひとかげ」「とかげ」という順で
 入っていて、どんなふうにリメイクしたのかを読み比べることが
 できるつくりです。
 ただただ感嘆しながら読み終えました。確かにストーリー展開は
 同じ。大まかな設定も細かい設定も多くは同じ。けれど選ぶ言葉と
 描き方が異なるだけでこんなにもテイストが異なる作品になるのか、と。
 「ひとかげ」は14年分大人になった作者による「大人の作品」です。
 人との関わり方も、仕事へのスタンスも、恋人との「明日の迎え方」も
 どれも今のばななさんだからこそ、の変化で、年を重ねるってことは
 悪いことばかりじゃないな、と思いました。
 リメイク前、リメイク後、どちらの作品のほうが好みなのか
 ぜひぜひ読み比べてみてほしいです。

168.阿川佐和子の会えばなるほど/阿川佐和子
■感想 ☆☆☆☆☆
 阿川さんホストの対談集です。対談相手へのニュートラルな立ち位置、
 素直な質問が対談相手の心をほぐし、実に気持ちよく色々なことを
 しゃべっていただいています。阿川さんの人との接し方、相手の懐への
 飛び込み具合が大好きで、改めてこんな女性になりたい!と憧れの
 想いを強めました。
 この対談集のおかげであまり知りもせずに苦手だと思っていた
 (苦手だからこそ、彼に関する記事はほとんど追いかけていませんでした。)
 政治家さんのことを「悪い人じゃないのかも。」と思えるようになりました。
 というか苦手だ、苦手だと思っていたけれど、読む限り、大筋の意見に
 賛成できてしまいました。苦手だと思う前に相手のことを知ろうと
 努力することって大切だな、と思いました。


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