フランスからスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラに到る巡礼路を舞台にしたロードムービー「星の旅人たち」を観た。
アメリカ人医師トムは一人息子のダニエルの生き方に批判的で最近は疎遠になっている。そのダニエルが仕事を辞め、ヨーロッパへ旅立ってまもなく、突然亡くなったという連絡が父親に入る。巡礼路に入ったすぐのところで事故によって亡くなってしまい、遺体の引き取りに行ったトムは息子のしていたことが理解できず呆然としてしまう。少しでも理解したいと思う気持ちから、息子が残した旅支度をそのまま受け継ぎ、巡礼の途につく。
その道中で3人の同行者ができ一緒に歩くことになるが、彼らは皆、宗教的な理由や高尚な気持ちから歩いているわけではない。お互い反発することもあるが次第にそれぞれを認め合って最終地サンティアゴ・デ・コンポステーラにたどりつく。ロードムービーの典型のようなストーリーになることは最初から予想ができるが、それでもやはり目的地に着いて、トムが心の平安が得られたときには、観る方も心が休まる思いだった。
最終地の教会に着いたあと、4人はある目的のためもう少し歩くことになるが、それを決めるのにセリフなしに目で語り合うところが印象的だった。
観終わって、三宮を歩いていたら足元に何か動くものがある。見るとスズメが横になってもがいている。どうしたものかとしばらく見ていると、立ち上がり、さらに少しすると飛び立っていった。透明な窓ガラスに衝突して一時的に脳震盪を起こしていたのかもしれない。ちょっといい映画を観た後だっただけに、これにもホッとする思いだった。
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