夢七雑録

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武蔵野三十三観音めぐり・その6

2021-05-05 19:18:48 | 寺社巡拝

【西武球場前駅から武蔵藤沢駅・13番~15番札所】

<コース>

西武球場前駅―13番金乗院―狭山湖堰堤―14番妙善院―15番松林寺―武蔵藤沢駅:11km。

(1)第13番 金乗院(埼玉県所沢市上山口2203)

西武球場前駅から狭山不動の前を通り、山口観音の名で知られている第13番札所の金乗院に行く。本尊は千手観音で秘仏のため通常は公開されないが、代わりに所沢市指定の文化財でもある木造千手観音立像が裏観音として公開されている。金乗院は武蔵野七福神の布袋尊の札所でもあり、本堂の左手に七福神堂があるが、七福神めぐりは又の機会ということに。

新編武蔵風土記稿では入間郡新堀村のうちに山口観音を取り上げ、天正19年(1591)から十石のご朱印ありとし、古跡にして諸方より詣でる人多しと書いている。また、鐘楼の鐘は近き頃の鋳造とする一方で、堂の軒にかけられていた撞鐘について形は異様で古色とし図を載せている。

江戸名所図会には、山口観音堂として金乗院が取り上げられており、弘法大師開祖と称すとして、寺の縁起が載せられている。弁才天の池から貞治2年(1363)の石碑が見つかっていることから、古寺であることは確かだろう。江戸名所図会に載せられている境内の図からすると、仁王門の位置は現在とさほど違わないようで、石段を上がったところに本堂が描かれている。また、この図には仁王門の前に茶屋が描かれており、仁王門から左に閻魔堂に至る坂道には茶店が並んでいることからすると、山口観音は江戸時代から多くの参詣者が訪れていたようである。

 

(2)第14番 妙善院(埼玉県所沢市三ヶ島3-1410) 

まだ先が長いので、金乗院は観音詣でにとどめて外に出る。坂を上がって、狭山湖の堰堤を歩き、そのあと、狭山湖通りを北に進んで狭山湖口の交差点を渡る。この先、道は少し分かりにくいが妙善院の表示を頼りに歩く。柳瀬川の支流である東川を渡って、その先の雑木林の角を左に折れ、次の三叉路を右にNTTの電話交換センタの横を通る。先に進んで、渇水期には流れが消えるという砂川を渡って、その先の角を左に行くと第14番札所の妙善院の前に出る。本尊は白衣観世音である。

新編武蔵風土記稿は、入間郡三ヶ島村の項に妙善院を載せ、慶安年中(1648~1652)11石のご朱印と記している。開基は家伝と寺伝で違いがあるが、何れにしても、三ケ島に知行地の一つがあった旗本の沢氏が開基で、僧侶は呑碵(承応元年(1652)寂)である。なお、嘉永7年(1854)に奉納された旗本沢氏三代の画像は、所沢市の有形文化財(歴史資料)に指定されている。

 

(3)第15番 松林寺(埼玉県所沢市林2-147)

妙善院を出て右に行き交差点を右に折れて北に向かう(三ケ島文教通り)。三ケ島中前の交差点を渡って先に進み、林小前の交差点を左へ、林の交差点を右折して浅間山通りを進み、その先を右に入って松林寺に向かう。松林寺の開山は吟國(承応2年(1653)寂)で、寺の本尊は釈迦如来だが、札所本尊は千手観音になっている。なお、新編武蔵風土記稿は入間郡林村の項に松林寺を取り上げている。

松林寺を出たあと、国の重要文化財になっている小野家住宅を見てから、浅間山通りに戻って北に向かい、県道に出て右に行き駅入口の交差点を右に入って、武蔵藤沢駅に出たが、今なら、武蔵藤沢駅に出る新しい道が出来ているので、林きたの交差点から右に入り小野家住宅を経て、この道を通って、武蔵藤沢駅に向かうことになるのだろう。

 

 


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