夢七雑録

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歴史と文化の散歩道を歩く

2013-02-09 12:35:17 | 歴史と文化の道
(1)お堀端コースを歩く

 ある日、東京都の「歴史と文化の散歩道」の中のコース、「お堀端コース」を歩いてみた。「歴史と文化の散歩道」は23のコースからなっている。コースは3kmほどの短いものから、20kmを超える長いコースまであり、総延長はなんと240.5kmに及んでいる。その全てを踏破するという事になると、少々気が重いが、どれかのコースを選んで気ままに歩くのであれば、何とかなりそうである。「歴史と文化の散歩道」のシンボルマークであるカタツムリのように、ゆっくりと、行けるところまで歩いていけばいい。そして、まずは、「お堀端コース」から歩き始めることにしよう。これまで、堀端は何度も歩いているから道は多少分かる。ただ、「歴史と文化の散歩道」として歩くのは、今回が初めてである。

 「お堀端コース」は全長6.4km。「丸の内今昔散歩」、「三宅坂・千鳥ケ淵散歩」、「神田本屋街散歩」の三つのサブコース(ガイド区分)から成り立っている。起点となるのは大手町ビル北東側の交差点。ここに散歩道の標識が置かれている。標識はA,B,Cの3種類あるが、この場所に設置されているのはBのタイプで、上面が斜めにカットされ、コースの道順が表示されている。この標識をたどって行けば、コース通りに歩ける仕掛けになっているのだろう。

(2)丸の内今昔散歩

 
 「丸の内今昔散歩」は大手町から桜田門まで、2.4kmのサブコースである。起点となる交差点は、「日本橋本所深川コース」の起点を兼ねているようだが、日本橋を歩くのはまたの機会にして、標識に従って南に向かう。永代通りを渡ると次の標識がある。やはり、Bタイプの標識だが、コースに設置されている標識の殆どはBタイプのもののようだ。標識には評定所跡や伝奏屋敷跡のほか、日本工業倶楽部など、近くの見どころが表示されている。さらに進むと、東京駅が見えてくる。その先、次の標識が東京駅をバックに設置されている。

 角を曲がって皇居に向かって進むと、途中に案内板が設置されている。案内板には地図上に「丸の内今昔散歩」のコース道順が記されているほか、丸の内の変遷についての説明が記されている。
 
 先に進み、日比谷通りを渡ると、散歩道の標識がある。右手の濠の向こうには、江戸時代の木橋を模して再建された和田倉橋が見えている。和田倉噴水公園を右に見ながら進むと、内堀通りに出る。ここにも散歩道の標識がある。内堀通りは日曜日限定でサイクリング用に開放されている。
 
 内堀通りを渡って左へ、通り沿いの歩道を歩くが、途中2か所に散歩道の標識が置かれている。ただ、この道はジョギングをしている人が多く通るので、散歩の人は皇居外苑を歩いた方が良さそうである。

 内堀通りを進み、祝田橋を渡る。ここには、Aのタイプの標識が置かれている。この標識は、サブコース(ガイド区分)の分岐点に設置され、コースの行き先を案内している。祝田橋から南に直進するルートは「芝高輪コース」であり、左に折れて東に向かうルートは「銀座佃島コース」になっている。サブコース・「丸の内今昔散歩道」はここから右に折れて桜田門に向かう。凱旋濠の向こうには、重要文化財の桜田門(外桜田門)が見えてはいるが、今は改修工事中で覆いの中にある。


(3)三宅坂・千鳥ケ淵散歩

 
 「三宅坂・千鳥ケ淵散歩」は桜田門から靖国神社までの2.3kmのコースになっている。しばらくは散歩道の標識が見当たらないが、迷うような道ではなく、ジョギングの人達とすれ違いながら坂を上がっていく。やがて半蔵門。ここを過ぎたところに標識がある。ここから先、内堀通り沿いが本来のコースのようだが、今回は千鳥ケ淵公園内を歩く。公園に入ってすぐの所には案内板があり、千鳥ケ淵公園の説明のほか、明治末年の周辺図、戦後の写真、家康入国の頃の江戸の図が載っている。
  
 花見の頃を想像しながら歩き、千鳥ケ淵公園を抜けると、交差点の場所に散歩道の標識が置かれている。さらに、交差点を渡った先の道角にも、標識が置かれている。ここを曲がって、千鳥ケ淵緑道を歩いていく。
 
 緑道を歩いて行くと次の標識がある。さらに、千鳥ケ淵戦没者墓苑を回り込むように進むと案内板がある。これには、三宅坂・千鳥ケ淵散歩の地図と、江戸城の内堀と門についての説明、江戸城周辺の切絵図が載っている。
 
 この先、緑道内に散歩道の標識が2か所あるが、迷うこと無き道である。花見の頃は大混雑する道も、今は人通りが無い。やがて、靖国通り。サブコースの終点である。

(4)神田本屋街散歩

 
 「神田本屋街散歩」は、靖国神社から神田小川町まで、1.7kmのコースになっている。サブコースの起点となる標識は、靖国通り側の道の角にある。ここを右に行くと、右手に九段坂公園という小公園がある。ここには、案内板が置かれており、九段坂についての説明と江戸名所図会の飯田町・九段坂の図が載っている。
 
 先に進むと、右手に北の丸公園の入口があり、道路を挟んだ左側には靖国神社がある。ここにも標識がある。九段坂を下り、交差点を渡ると、首都高の手前に散歩道の標識がある。向こうには、日本橋川に架かる俎橋が見えている。
 
 俎板橋を渡ると、本屋街らしい町並みになっていき、人通りも増えてくる。ここにも散歩道の標識があり、表示を良く見ると千代田区の「ふるさと文化の散歩道」が点線で表示されている。コースが一部重なっているらしい。
 
 白山通りの手前に案内板があり、神田本屋街の説明と図が載っている。白山通りを渡り、神保町の書店街を通る。途中には標識があるが、見る人はいないようだ。
 
 書店の並ぶ神保町を過ぎ、スポーツ用品店の並ぶ神田小川町に入る。散歩道の標識は、駿河台下交差点の手前と、神田小川町側とにある。

 このコースの終点は小川町の交差点で、その手前に散歩道の標識が設置されている。ここは、また、「池袋コース」の終点にもなっている。

 「お堀端コース」は以上で終わりである。歩くだけなら、さほど時間はかからないが、あちこち見ながら散歩するのであれば、半日コースぐらいにはなるだろう。ベストシーズンは、もちろん、花見の頃である。「お堀端コース」は、標識が完備しているので、地図を持たずにコース通りに歩くことができる。ただ、「歴史と文化の散歩道」として歩いている人は、あまり居ないかも知れない。

 さて、これから先の事だが、あまり連載形式にはこだわらず、コースの順番にもこだわらないで、思いつくまま歩いていく積りである。また、今回のコースの途中に、千代田区の「ふるさと文化の散歩道」というコースが重なっていたが、他にも同趣旨のコースがあれば、適宜、「歴史と文化の道」として取り上げていく予定である。


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