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夢七雑録

散歩、旅、紀行文、歴史 雑文 その他

布多天神から神代植物公園へ

2018-03-04 08:57:10 | 寺社巡拝

駅の地下化で様変わりしてしまった調布駅前から旧甲州街道に出るが、布田五宿と呼ばれた甲州街道の宿場町の面影はあまり無い。ここからは、布多天神の参道にあたる天神通りを歩くが、今は鬼太郎オブジェのある商店街のようになっている。現甲州街道を渡れば右側に大正寺がある。布多天神の別当であった栄法寺と他の寺院が合併して大正時代に成立した寺だという。寺に沿って進み布多天神社の鳥居をくぐる。昔にくらべ境内は広く明るく感じられるが気のせいだろう。布多天神社は延長5年(927)の延喜式神名帳において多磨郡の項に布多(フタテノ)天神社として記載されている古社で、元は多摩川に近い位置にあったが、多摩川の洪水により文明9年(1477)、現在地に遷座している。

上の図は武蔵名勝図会による布多天神の図である。図からすると別当寺は布多天神の裏手にあったようである。同書では祭神を少彦名命とし、垂仁天皇御宇鎮座と記しているが、新編武蔵風土記稿では創建年代の記載はない。遥か遠い昔のことゆえ、創建年代不詳とするのが妥当なのだろう。なお、天神とはもともと高天原由来の神々のことで、天神として少彦名命が祀られたのは当然のことなのだが、後世になって天神と言えば菅原道真を指すようになったため、布多天神でも現在地に遷座のあと、菅原道真を合祀している。ところで、延喜式神名帳記載の天神社のうち武蔵国には5座と多く存在するが、何か理由があるのだろか。

布多天神から保育園の横を通って東に行き次の交差点を左折する。スーパーを過ぎ、その先の広い道を右に行くと深大にぎわいの里の看板が見えて来る。橋場橋で野川を渡り中央自動車道を潜って先に進み、右手の池上院の横にある深大寺南参道に入る。車に注意しながら急坂を上がり分岐点を右へ、修道院を過ぎれば道は下り坂となり、深大寺の信号を渡って右に行けば深大寺の参道に出る。国宝に指定された白鳳仏を拝観するため深大寺に入り、そのあと神代植物公園に行く。

神代植物公園は深大寺門から入り、神代小橋を渡って、うめ園に行く。梅の数は200本ほど、種類にして約70種。裏手の竹林が背景になって梅を引き立てている。隣接するつばき・さざんか園では椿がすでに咲いているが、人気では梅に及ばない。うめ園を一回りしてから、植物公園内を散策する。今の時期、さすがに花は少なく、枯れ色も目立つが、空気が澄んでいるせいか遠目が利く。芝生広場のパンパスグラスの向こうに見えているのは、どこの山だろうか。開花にはまだ早いバラ園を素通りし、雑木林の中を歩き出口へと向かう。