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夢七雑録

散歩、旅、紀行文、歴史 雑文 その他

竜ノ口渓谷から太白山へ(7)

2008-04-25 21:31:30 | 古いアルバムめくり
 はやる思いを抑えつつ急な道を下ると農家の庭先に出る。のどかな農村風景の中を抜け、太白山への道に入る。最初、道はやや登りとなるが、まもなく平坦な歩きやすい道となり、太白山の懐へと導かれる。神社の横を抜けると、その少し先に鉄線の張られた急斜面が現れる。最後の頑張りで、この急坂を登りきれば太白山の肩で、山頂は直ぐそこである。岩石累々とした頂上は周囲を樹木に囲まれているため、360度の展望は得られないが、木々の間から下界を見下ろすことができる。帰りは神社の所まで戻り、秋保電鉄の太白山駅プラットホームと軌道の跡を過ぎ、少々歩けばバス停に出る。振り返れば、太白山が、異様な姿でうずくまっているのが見えるだろう。

(注)道が変わり、地形も変わり、立入禁止の場所もあるので、現在は、このコース通りには歩けません。念のため 夢七

竜ノ口渓谷から太白山へ(6)

2008-04-23 21:52:00 | 古いアルバムめくり
 小休止した尾根の途中から左に入る道が太白山への道である。道は樹林に覆われた細い尾根へと下り、尾根伝いに左また右へと曲がり、また小さな上下を繰り返す。やがて岩盤の露出した広い斜面を下り、沢を渡ってから、次の尾根に向かって上っていく。その途中、炭焼小屋を見る。地形が複雑な上に展望もきかないため、どこをどう歩いているか分らなくなるが、道はよく踏まれているので、心配するほどではない。そのうち、一寸した登りのあと、突然、前方が開け、太白山が思いがけない大きさで現れる。太白山は標高321m。高い山ではないが、その山容は遠くからでもそれと分かる、正規分布型の特異な山容を持っており、また、数々の伝説に彩られた山でもある。


竜ノ口渓谷から太白山へ(5)

2008-04-21 21:54:27 | 古いアルバムめくり
 渓谷から上っていくと、車も通れそうな道に出る。その先、尾根を回りこむように進むと、突然、西側が開けて遠くに太白山の山頂部分が姿を見せる。亜炭坑道の崩落現場と云う。道なき道を注意しながら進むと、またしっかりした道が現れ、樹林の中の歩きやすい道となる。樹林帯を抜けると、北側の視界が開ける。ここから左へ、212.6mの山頂から西側に張り出した尾根へと向かう。尾根の南側は濃密な樹林帯だが、北側は開けて眺めが良く、小休止するには丁度良い。


竜ノ口渓谷から太白山へ(4)

2008-04-19 22:15:11 | 古いアルバムめくり
 橋から先は崖の高さも次第に低くなり谷幅が狭まってくる。やがて、右手より支流が小さな滝となって合流する。谷は廊下状となり、くねくねと曲がりくねり、どの方向に歩いているのか分らなくなる。両側の岩壁は低くなり、侵食された岩が奇妙な形をみせている。やがて廊下状の谷は消え失せ、普通の沢のような流れにかわり、少し開けた場所に飛び出す。流れは行く手の水源らしい峯に向かって続いているが、藪が酷く、通れそうにない。ここからは、踏み跡を頼りに左側に上る。


竜ノ口渓谷から太白山へ(3)

2008-04-18 18:59:21 | 古いアルバムめくり
 竜ノ口峡の標識に従って小さな板の橋を渡り、巨大な岩塔が門のように聳える渓谷の内部へと入り込む。しばらくは谷も広く道もしっかりしていて、快適に歩けるが、それも小屋がある場所まで。小屋の裏手で谷は直角に曲がり、前後左右を崖に囲まれ、外部から隔絶した場所へと入り込み、道も踏み跡のようになる。その先、落石の跡であろうか、石が重なりあっている場所を乗り越える。しばらくは、草の茂る谷底の道を進むと、行く手に八木山橋が見えてくる。その手前に30mもあろうかと思われる滝が左側から流れ落ちているのが見える。


竜ノ口渓谷から太白山へ(2)

2008-04-17 21:18:04 | 古いアルバムめくり
 愛宕神社の裏の石段を下り、広瀬川に沿う坂道を下って瑞鳳寺へ行く。この寺は伊達政宗の廟所だが、戦災で焼失している。瑞鳳寺の西北側は断崖となっていて、屈曲する広瀬川を眼下に、青葉山方面を覗き見ることが出来る。瑞鳳寺の裏手へ出て、集落の外れの細道を辿ると、断崖を斜めに下る踏み跡がある。滑らぬよう注意して下ると、車も通れそうな道に出る。この道を歩いていくにつれて、青葉山の断崖が思いがけない大きさで近づいてくる。


竜ノ口渓谷から太白山へ(1)

2008-04-15 22:05:34 | 古いアルバムめくり
 コースの起点は愛宕橋。付近の広瀬川の河原では、牛がのんびり草を食んでいる。愛宕橋の少し先にある、埋もれ木細工の工房は次回という事にして、橋を渡って直ぐの愛宕神社の石段を上がる。神社を参拝してから、地元の詩人、石川善助の詩碑を見に行く。

 「化石を拾ふ」
  光りの澱む切り通しのなかに 童子が化石を捜してゐた
  黄赭の地層のあちらこちらに 白いうづくまる貝を掘り
  遠い古世代の景色を夢み   遠い母なる匂ひを嗅いでゐた
  ・・・・・もう日は翳るよ  空には鴉は散らばるよ
  だのになほも捜してゐる   捜してゐる 
  外界のこころを  生の始めを  母を母を
                               石川善助
 
この詩は竜の口渓谷の事を詠んだのではないかと思う。竜の口渓谷で、化石の採取をしたことがあったかもしれない。