ゆきたんくと長男のおーちゃんは陸上競技のハンマー投げに。
奥方ののりたんと次男のつっくんは演劇に青春を燃やした。
「実は…」でつっくんをこき下ろし過ぎたので、少しフォローしようと思う。
次男のつっくんは演劇に情熱を燃やした。
鳥取の「水木しげるロード」で怖くなり、「海と暮しの資料館」のカツオに癒されているつっくんの4年後の写真である。
「1、2、一杯。」と3以上の数を数えられない男の役。
1996年に発表された野田秀樹氏の「赤鬼」を演劇部顧問の演出で取り組んだのだ。
野田秀樹氏の舞台は4人のみの登場だ。
高校演劇部なので、4人が主役で残りの人員が村人を演ずる。
「差別」をテーマにした演目である。
つっくんは、4人の中の一人で、「とんび」という頭の足りない男の役だ。
それがはまってしまうのである。
同級生の演じるミズカネとのやりとりのシーン。
台詞が多い。
頭の足りない男の役を、キラートークでこなしていく。
赤鬼、ミズカネ、妹と船で流されていくシーン。「腹ぁ、減ったぁ・・・」
普段あまりはっきりとものを言わない奴が、演劇の舞台の上では別人を演じている。
これには親としてびっくりしたが、顧問の先生に鍛えていただいた賜物だと感謝している。
この「赤鬼」は、つっくんが最初に登場し、最後もつっくんの台詞で終わる台本である。
もっとも、野田秀樹氏の構成では、「とんび」役を野田氏が演じていたので、コントロールタワー的な意味もあったのだろう。
演劇部のコントロールタワーは顧問である。
つっくんは一生懸命演じるだけ。
分かりかけてきた「絶望」の意味を語る、とんび。
最後の台詞と舞台がレイヤーで重なる映像。
この時、つっくんはやり切ったのだろう。
この後の人生の糧にして頑張っている。
と思う。