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「俳句入門・再入門」第1章初級編で俳句の基礎を復習、第2章上級編を参考に句作り挑戦中

2019年03月03日 | 斜読

book481 俳句入門・再入門 安部元気・辻桃子 創元社 2005 

 2018年11月に大学卒50年全学同期会が母校の会館で開かれた。50年ぶりの顔合わせもあり、息災を祝いながら大いに杯を交わした。
 全学同期会閉会後、学科別のクラス会が続いた。クラス会はほぼ毎年開かれているが地方からの久方ぶりの参加者もいて、こちらでも息災を祝い大いに杯を交わした。席替えを何度かしているうちに、向かいがK氏、右がU氏となった。

 K氏は俳句歴が長い。U氏はK氏に誘われだいぶ前から俳句を交換していて、二人が俳句談義になった。K氏の所属してる俳句会では連歌を楽しんでいるそうで、連歌は参加者が多い方が盛り上がるからと、私も誘われた。飲み過ぎると記憶があいまいになる。定かな返事をした覚えはないが、ほどなくK氏から連歌を添付したメイルが届いた。続けて、連歌の基本的なルールと近作の俳句が届いた。さらにU氏から連歌の解釈と、近作の俳句が届いた。たたみかけるように、K氏から俳句会の名前、第1回投句日、兼題が届いた。

 兼題って何だ?、連歌ってどういう仕組みだ?、季語は?、などなど壁にぶつかった。テレビ番組のプレバド・俳句編は何度か見たことがあったが、気を入れ直し、梅沢富美男氏らの俳句や夏井先生の手直し、注意をメモし始めた。
 俳句は学校で習っただけだから、知識不足でにっちもさっちもいかない。名画、名曲鑑賞と同じように習うより慣れろと考え、図書館で名句集を借りた。しかし、基本が分からないと名句の解説に理解が追いつかない。
 初歩から学ぶことにして、「俳句入門・再入門」を読んだ。この本は、第1章 一から始める初級編、第2章 力をつける上達編、第3章 俳句を楽しむ実践編  の構成で、見開き2ページごとに俳句作りの要点がまとめられていて、分かりやすかった。
 「はじめに」で、約束事は五七五の定型と季語の二つだけ、正岡子規、高浜虚子らの句を例に名句はやさしいと解説してあり、なんとかついていけそうと安心した。

 本文は質問に答える形になっていて、第1章は35の初歩的なことがらを①音を五七五にする、②表記のルール、③季語を使う、④切れ字を知るに分けて、解説している。たとえば①音を五七五にするQ1拗音、促音の数え方で、「キャ」は一音に数え、②表記のルールQ8 拗音・促音の書き方で、芭蕉の「梅が香にのつと日の出る山路かな」を例に「のっと」を「のつと」と表記するなど、基本の基本が解説される。長く俳句から離れていると、こうした基本も忘れてしまっていたから、初級編は基本を思い出させてくれた。

 Q4漢字の読み方では、高浜虚子「流れ行く大根の葉の早さかな」では大根をだいこんと読むが、一茶「大根引き大根で道を教へけり」では大根をだいこと読むなど、五七五におさめる読み方を紹介している。Q16新かなと旧かなによれば、俳句では前述一茶の「・・教へけり」のように旧かながよく使われるが、どちらかに決めれば新かなでも旧かなでも構わないそうだ。

 ③季語を使うQ19季語の働きで、季語の持つイメージを活かして読み手の想像力を広げさせると諭し、Q20季語を使いこなすポイントで、季語の持つイメージを「本意」と呼び、季語の持っている歴史的な背景や文学的な伝統をイメージさせ、あるいはQ21季語を使いこなすポイント2で、正岡子規「夕立や砂に突き立つ松青葉」のように季語の夕立から松葉をたたき落とす雨脚を想像させる句を目指せと語る。Q24季語のおぼえ方で、季語は本題が6000を越えていて、傍題を含めると数倍になるそうで、とてもおぼえきれない。そこで日々の暮らしのなかで実感のある季語を使いこなしていると、自然に季語が身についてくると安心させてくれる。

 ④切れ字を知るQ30切れ字「や」の働きで、芭蕉「荒海や佐渡に横たふ天の川」の「や」が上五と中七下五のあいだに置かれることで、感動、詠嘆が強調されると語る。Q29には切れ字が紹介され、Q32では切れ字「けり」、Q34で切れ字「かな」の例をあげている。

 以上の第1章は復習編だったから、なるほどなるほど読み終えた。第2章は上達編になる。①季語を生かして使う、②切れ字を使いこなす、③さまざまな技法を使う、④なにを詠むかを考える、と俳句の作り方が具体的に語られていく。①季語ではQ36本意、Q37~Q39即き過ぎ、Q40取り合わせ、②切れ字ではQ41~Q43で上五、下五、③技法Q47~Q50では擬音語、擬態語、Q53~Q55でリフレイン、④なにを詠むかQ58~Q62で写生句を紹介し、Q67~Q70で写生句のポイントを語っている。
 第3章実践編では、①句会、②吟行を勧めている。

 まだまだ句会、吟行の域ではないが、ときどき基礎編を思いだし、上級編を参考にしながら、一人句会、一人吟行に挑戦している。どこまで続くか、K氏・U氏の句会に付いていけるか?。まずは楽しく、日常を素直に詠むを目指している。(2019.2)

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