お土産とママチャリ - 養老鉄道養老線

2024-07-11 06:30:19 |  鉄分山盛り、三重の路
桑名駅でお土産とあんパンを買った。
なんでも桑名は東西文化圏の境目らしく、カレーに入れる肉が牛か豚か聞くと、だいたい半々なのだそう。
その情報の信憑性は確かめ様がないが、地理的にまあありそうな場所である。
話の種にお土産はカレー味のあられにした。



桑名駅から今度は養老鉄道で大垣へと向かう。
いま養老鉄道では近鉄と東急の旧車両が走っているらしい。
改札口に行くと赤色の電車が待っているのが見えた。
近鉄の方だった。
今度はどこか途中駅で降りるかなと、とりあえず養老駅までの切符を購入。



走り出して思ったのは、この二日で乗ったローカル路線で一番揺れない電車だなということ。
近鉄のお古とはいえ、車両はまだまだ新しいものだ。
自宅近くの幹線を走る電車とそう変わらない。
勝手ながらこうした旅では車両は古いほど面白く、今一つ自身の盛り上がりに欠ける。
前にヒロシが出ていたTV番組で「迷宮グルメ異郷の駅前食堂」を見ていたら、キューバのどこかを訪れる回で、ぼっろボロの電車に乗っていた。
思わず画面を二度見した。
こんな車両が現役で運行しているというのが驚きのボロさで、安全性にたいそう不安があったがとても惹きつけられ、乗ってみたい?いや撮ってみたいと思ったものだ。



車中で養老駅の近くにある名所を調べてみる。
やはり養老の滝だよなと見てみると、駅から4kmも離れてるらしい。
往復2時間(写真撮ってたら3時間)をかける時間はもうないな。
養老駅はなかなか古い駅舎のようで、ドアから見える改札口がいい雰囲気だったが、足腰の疲れも取れておらず、お尻はシートに張り付いたまま。
乗り過ごして大垣まで行ってしまうことにした。



ある駅でママチャリと一緒におじさんが乗ってきた。
座席横でガチョンと脚を立てて席に座った。
サイクルトレインを運用している路線が各所にあるのは知っていたが、こうして実際に自転車を持ち込んでいるのを見るのは初めての気がする。
電車内に生の自転車があるってなかなか変な眺めである
なんとなく海外の電車でロードレーサーを袋に入れずに載せてる映像が頭にあった。
輪行できないママチャリのような自転車こそ、利用すべきサービスだよなあと腑に落ちた。





養老鉄道の車庫は西大垣駅にある。
大垣駅のひとつ手前の駅なので、そこで降りて一駅分沿線を歩くことにした。
車庫の眺めは残念ながら開けておらず、ホームの端から限定された範囲を撮れたのみ。
しかし西大垣駅の駅舎は古く、いい感じ。
駅員さんに切符を渡して乗り越し精算してもらった。




阿下喜駅と西桑名駅 - 三岐鉄道北勢線

2024-07-09 06:25:57 |  鉄分山盛り、三重の路
三岐線の東藤原駅から北勢線の阿下喜駅まで歩いて移動。
田んぼの中の道路を歩き、林を抜ける。
一枚目の写真は道路から覗いた脇道で、歩いたわけではない。







少しお腹が空いたので、昨日食べ残したコンビニの惣菜パンを食べながら歩く。
交通量のある国道を渡る時、後ろを振り返るとセメント工場はもうはるか遠く。
その辺りから再び住宅が広がり始める。
駅の周りは商業施設もあり開けている。



阿下喜駅には電車が待っていた。
パッと見読むことのできなかったサッカーチームのラッピング電車だ。
発車時刻を気にしつつホーム横に置かれた昔の電車車両を撮影、改札を抜けたのは出発の直前の時刻だった。





一番後ろの車両に乗って出発。
その日は三岐線の電車にほぼ座って乗っていたのに、昨日の疲れが出てきたのと、阿下喜駅まで歩いた疲れが重なって、途中下車する元気がなくなってしまった。
北勢線は以前に一度撮影目的で乗ったことがあり、その時沿線も歩いてガッツリ撮った覚えがあるので、今回はまあいいかとホケッと座っていた。





北勢線は762mm軌間のナローゲージで、車両の幅がとても狭い。
なかなかに古い車両で、走り出すときしみ音、振動音がすごい。
金属の打突音が渾然一体となって耳に届く。
モーター音が路面電車を思わせるが、それより少し高音成分が多いだろうか。
スピードの出る区間では盛大に揺れ、左右の揺れの大きいところでは車両間のドアが半分開き閉じる。
遊園地の乗り物に乗ってる気分で楽しんだ。
終着の西桑名駅までずっと乗り続けた。
今回の旅で一番淡白な乗車路線になった。






重厚長大なる - 三岐鉄道三岐線

2024-07-07 17:56:50 |  鉄分山盛り、三重の路
東藤原駅の手前、太平洋セメントの工場横を通過する時、今度はよく見えるよう左側のシートに座った。
行きがけにこんな眺めが見えると知った時は反対側のシートに座っており、こんなのが見えるのか、しまったな、と思った。
座席を移ろうかとも思ったが、移っている内に通り過ぎてしまうだろうとそのまま座っていたら、これがなかなか通り過ぎない。
こんなに長く見れるなら座席を移ったらよかった、またまたしまったな、と思ったが、また戻ってくるとき見ればいいと気がついた。
それくらい広い工場なのであった。





東藤原駅で降りると、側線がたくさん並び、工場の方へ続いている。
ホームからの眺めを撮ったあと、改札を出て工場の方へ歩いてみる。
踏切があるのだが、側線も横切っているので向こう岸が遠い。
保々駅で見た電気機関車のみの重連車両がここでも踏切のすぐ脇に留置されていた。
運ばれてきたばかりで、金属が冷えていくキンキンという音が時々聞こえる。
やはりその場所に留置する理由が分からない。
踏切を通る人に見てもらう為に置いてるようにしか思えないんだなあ。
ありがたく間近で堪能させてもらった。











工場の入口が遠くに見えるので近づいてみるが、門のところにカメラの絵が描いてあるのに気付いた。
前にどこかの工場の入口を通った時、構内撮影禁止、とか、構内はドライブレコーダー電源オフ、とか書かれた看板が出ているのを見た事を思い出した。
こうした工場って治安対策の為に構内の建物の配置といった情報は、関係者以外の知るところとならないよう注意しているらしいので、きっとあの絵も撮影禁止の貼り紙だろうと、変に見咎められないよう引き返すことにした。



さて三岐線の乗車はこの駅まで。
次は三岐線の東側にほぼ並行して走っている北勢線に乗車する。
北端の阿下喜駅まで30分くらいらしいので歩いて向かう。
別れ道まで三岐線沿線を歩いていると、白い貨車を引いた貨物列車が駅前の側線を何度も行ったり来たりして工場に入る線路に移す作業を行っていた。
なかなか面倒そうである。
毎回必要なら直通で入れるルートを設定できないものなのかなと思ったが、そう出来ない何かしらの理由があるのだろう。
駅の南にある踏切からその様子を遠望して、三岐線最後の撮影とした。














西藤原駅 - 三岐鉄道三岐線

2024-07-05 06:27:04 |  鉄分山盛り、三重の路
丹生川駅から西藤原駅へ向かう。
前方には藤原岳が聳えている。
福寿草が咲く山で、まだ若い頃登ったことがあるが、標高はさしてないのに累積標高差が大きい山で、ヘロヘロになって下ったのを思い出す。
途中、伊勢治田駅で列車交換の待ち合わせ。
この駅にも留置線がたくさんあって、この先にある太平洋セメントの貨車が止められていた。







東藤原駅を越えると太平洋セメントの工場横を通過した。
右側の車窓から巨大な工場が見えたのだが、左側のシートに座っていたので、窓越しにその存在を認知。
戻ってくる電車では工場側のシートに座ることにしよう。





西藤原駅は三岐線の終着駅。
ホーム横に昔の電気機関車や蒸気機関車が保存されていたので撮影。
その向こうには広場があって、子供たちを乗せて走る列車用の小さなゲージの線路が敷かれていた。
一度改札を出てみる。













外からみた西藤原駅は駅舎が汽車の形を模していてかわいい。
昔、藤原岳を登った時、ここに車で来た事がある。
屋外展示された機関車と桜の木を写真に撮ったはず。
今と展示のされ方が違っていたし、今の駅舎の記憶がないので、たぶんその後新しくなった駅舎なんだろう。



ホームに戻り、ここまで乗ってきた電車に再び乗り込む。
次の途中下車駅は東藤原駅である。
来る時に車窓から見た太平洋セメントの工場が隣接してある。
途中で遭遇した貨物列車はこのセメント会社のもので、東藤原駅から様子を伺おうと思っている。


貨車がいっぱい - 三岐鉄道三岐線

2024-07-03 06:29:39 |  鉄分山盛り、三重の路
次の途中下車駅は丹生川駅。
保々駅から5駅先である。
近鉄富田駅から離れるに連れ家は少なくなり、緑が多くなっていく。





丹生川駅で降りる目的は、貨物鉄道博物館を訪れるため。
ボランティア運営のため、毎月第一日曜日にしか開館しないということなので、最初は旅程から外していたのだが、外に展示している車両は見学可能ということなので行ってみることにした。







改札を出て左に行くと、三岐線の線路と平行して展示用の線路があり、その上に数両の様々な貨車が置かれていた。
その向こうに博物館の建物がある。
入口のシャッターは当然閉まっていた。
建物の横にも貨車が並んでいる
こちらには蒸気機関車の展示もあった。
開館日であれば、建物の中はもちろん貨車の中にも入れるらしい。











先日NHKのEテレで「沼にハマってきいてみた」という番組があり、そこで二人の鉄オタ高校生が出演していた。
ハマったモノは、一人は電気機関車、一人は貨車。
貨車の方の高校生はここのボランティアをやっていて、貨車を修理する様子が映されていた。
展示された黒い貨車に白い文字で車両形式が書かれていたが、手書きフォントっぽいものがあり、きっと彼らの手によるものだろう。





撮影していると、次の電車までまだ時間があるはずなのに踏切が鳴り始めた。
ドキッとしたが、こういう時は貨物列車がやってくる。
待っていたら保々駅で見たような編成の貨物列車が西藤原方面へ走っていった。
貨物列車の走る時刻を知る術を知らず、見れたらいいなと行き当たりばったりでやってきたが、二度も目にする事ができた。
なかなか頻繁に行き来しているようだ。






保々駅での幸運 - 三岐鉄道三岐線

2024-07-01 06:27:10 |  鉄分山盛り、三重の路
さて、旅は二日目。
この日は近鉄富田駅から出ている三岐鉄道三岐線に乗車する。
近鉄四日市駅から名古屋線で近鉄富田駅にやってきた。
接続ピッタリで、降りたホームに三岐線の電車が出発を待っていた。
しかし種々撮影したく、一本後の電車に乗ることにする。







電車を見送った後、一度改札を出て三岐鉄道の1日乗り放題パスを購入。
その日は終点の西藤原駅まで行く途中、各所で下車して駅付近を撮影予定。
再びホームに戻って電車を待った。







やってきた黄色い電車に乗車。
電車は狭軌の昔の車両である。
西武鉄道のお古らしい。
なかなかの年代物で、最近はローカル線に乗りに行っても比較的新しい車両が走ってたりするので、とっても貴重である。
長く走り続けて欲しいものだ。



一つ目の途中下車駅の保々駅が近づいてきた。
この駅横には車庫があるのでその様子を撮りたい。
車庫は駅の南側にあるようで、駅へと入っていく手前で沢山の車両が止まっているのが見えた。
電車だけでなく電気機関車が止まっているのが見え、おおっとテンションアップ。
車庫の建物も年代物でホームに降りると早速撮り始めた。
ホームの北側の留置線にはJRの車両が止められていて、今後はこの車両に置き換わっていくのかもしれない。













ホームの南端から撮れるだけ撮って、さてどうしようと頭を悩ます。
そこから見えるのは電車ばかりで、駅に入る手前で見えた電気機関車が撮りたい。
ピョッという甲高い汽笛が車庫の向こうから聞こえてきたりして私を誘う。
一度駅を出て車庫の南側に回れば見えるだろうかと考え、そうすると次の西藤原行きの電車には乗れないから、二本後の電車になってしまう。
それでも日頃見ることのない電気機関車の魅力には敵わず、駅を出て外から見に行くことにした。
しかしここで暁光が。
荷物を整えていたら遠くで走行音がし、そちらを見るとその電気機関車がこちらにやって来るではないか。
しかも重連である。
この好機を逃すまいと撮影していると、ホームの端で停車してくれた。
そして運転手さんは何かそこで作業するでもなくどこかへ行ったしまったのだ。
機関車はなんと目の前に置きっぱなし。
じっくり近くで細部を観察することができたのだ。





さらにそうして撮っていると背後からまた走行音が聞こえてきた。
振り返るとセメントタンク車を引っ張った貨物列車がやって来るではないか。
これが見たくてここに来たのだ。
心の中で快哉を叫びながら撮影。
一旦待機線に停車して、再び走り始め、走り去るまで見届ける事ができた。
駅外に出ていたら近くで見ることができなかったかもしれない。
なんともラッキーな巡り合わせだった。





駅から出る必要がなくなったので、その後やってきた電車に一本遅らせることなく乗れた。
後から考えても不思議なのが、車庫からやってきた機関車の行動である。
何のためにあそこに留置したのだろうか。
撮り鉄が来てるから撮らせてあげようと連れてきてくれたように思うのだが、さすがにそんな理由で機関車を動かしたりはしないよなあ。
そんな都合の良い想像を膨らましたりして、にんまりしたのだった。