しーらないまぁあちを♪

2014-10-08 00:09:02 | 自転車
先日、家島という島に自転車を持ち込みポタリングを楽しんだ。
この家島、チャリ友がネットで見つけてきたのだが、観光協会だかなんだかのHPを見るととても楽しそうな所と紹介されてる。
ここ数年、島に渡って遊ぶ事を覚えたので興味を抱いて、どんな見所があるのかと調べてみれば、あれれ? いわゆる観光名所と呼べるものはほとんど無い。
写真がたくさん載っているが、島の祭りや行事なんてのがほとんど。
島民の生活を紹介しているHPなのか?と思ってしまうくらいだ。
イベントは日程が合わないと意味ないしな。
周りは海なので、海水浴とか釣りをする人が遊ぶには良さそうだが、それは今私の守備範囲外である。

それでも訪れたのは、「入り組んだ迷路のような路地裏を散策するのも楽しい」の一言に惹かれたから。
そんな所に私は弱いらしい。
これまでも観光に訪れた町で観光スポット周辺の普通の町並みに歴史を感じたり、風情を感じたりして喜んでいる。
島への船には自転車を持ち込めるとのことなので、歩いて廻るのでなくサイクリングにすれば今までになく気分も変わり楽しいのでは。
と思い実行した。

場所は瀬戸内海は姫路沖。
姫路港から船で35分。
行ってみるとやはり観光名所たる見どころは無いと言ってよかった。
神社仏閣を除いてただ一つそれらしきものが真浦港にあった。
それがこれ。

<どんがめっさん>


<云われ>


で、その他訪問場所は真浦港の切符売り場に置いてあった手作りガイドマップで調査。
迷路のような路地のある地区と家島十景(なんてのがあった)の内の一つ、宮浦夜泊(みやうらやはく)に行くことにした。
まずは町の路地。
おお、本当だ。
むちゃ狭くくねってる。
自転車でするすると入って行くとコンクリート製の階段に突き当たった。
路地は山の斜面に続いている。
自転車を置いて登ってみた。

<立体的路地>


大雨降ったら危険なんだろうなという傾斜地に隙間なく家が建っている。
こういうのを写真に撮るのが好きなんだな。
程なく一番上の家に到着。
見下ろすと密集した住宅地が拡がっていた。

<坂の途中から>


自転車に戻り更に奥へと踏み込む。
今度は坂道が待っていた。
ギアを落としてヒーコラ上って行くと、上から原チャリが降りてきた。
端によけると慣れたもので狭い坂道をスイーっと走り抜けて行く。

手押しポンプの井戸があったのでちょっと休憩。
隣の家の窓からTVの音と話し声が漏れてくる。
こちらは観光気分だが、町の人には普通の生活の場だ。
少し不思議な感じがした。

<ポンプ>


更に行くと太い道路(路地に比べると)に出、まだまだ坂道は続く。
ただの山裾の道になったので、港に引き返すことにした。
下り道は楽チンだ。
ツイーっと下るが路地に入ると途端に気を遣う。
狭いし小さな段差が縦横にあるし。
スピードを落としてゆるゆる下る。
さっきの原チャリの人すごいな。

港から今度は海沿いの道を行く。
景色は変わり停泊した船の群れを眺め、潮の香りのなかを走る。
ふむ、港町ってだけで我が住む町とは雰囲気が全然違うので面白い。
だから島旅に惹かれるのか。

奥まった湾をぐるりと回ると、宮浦神社に到着。
地図によると宮浦夜泊は神社の手前から山裾の町中を上った見晴らしの良い場所らしい。
自転車を止め置き、再び歩く。
さっきより急な斜面についた路地の細い道と石段だ。

<造花みたい>


一段高い位置に車の離合は難しい道幅の道路があった。
多分地図のこの道に違いない。
地図に付けられた手書きのマークは右の方なので、そちらへしばらく歩いてみたがなにも現れず、通りかかった地元のお母さんに訪ねてみた。
自宅の周りの地図なんて見慣れないのか予想した明快な回答はなく、そういえば向こうの道の左手に石碑を見た覚えがあるとお聞きし、逆方向に戻った。
同じ距離を反対側に歩くと、あったあったありました。
石碑の他にも家島十景の云われを説明した看板も立っていた。
この手書きのマーク、位置を間違えてるぞ、プンプン。
まあそれも思い出に残る旅のスパイスか。

<宮浦夜泊からの眺め>


<湾内ジオラマ>


場所はなんてことは無い、道の途中の小さな広場でベンチがあるのみ。
港の眺めは良し。
そこからでなくても同じように見下ろせる場所はその道沿いに他にもあったが、観光では看板が立ってることが重要だ。

もっと頑張って走って他の十景の幾つかを見学に行っても良かったのだが、ボチボチ走れれば良かったので自転車に戻った後は島のもうひとつの港、宮港の様子を伺って引き返し、真浦港に戻った。
遠い土地の身近にない景色を持つ町を訪れることは、それだけで観光なのだなあ。
被写体はいっぱいあって、意外と満足した旅となった。

<錆>