後事を託す

2016-12-23 00:03:09 | 音楽&本&映画
初めてのIMAX3Dで、ローグ・ワンを見た。
以下、その感想。
物語の内容に少し触れてるので、知りたくない方はご注意あれ。



今回もまったく予備知識無しで映画館へ。
予告編を何度か見てしまってるので、出てくる帝国軍の兵器や人物から、物語の時代背景はこの辺かなと想像していたが、エピソード4にこれほどダイレクトに繋がっているとは思いもよらず、ラストシーンにうれしくなってしまった。
映画の冒頭、いつものようにルーカスフィルムのクレジットと「A long time ago, …」で始まる出だしに、画面いっぱいの「STAR WARS」の文字とメインタイトルの音楽が鳴り響くタイミングを図っていたら、静かな宇宙空間から始まって肩透かしを食った。
サブタイトルにスター・ウォーズ・ストーリーなんて付いていたのでそんな期待をしたのだが、シリーズ本編とは違うローグ・ワンというサイドストーリーなんだと思い出す。
音楽もまんまスター・ウォーズのフレーズはあまり使われず、違う物語のようだ。

これは監督の好み?なのか、俯瞰した広大な背景の絵が多かった。
壮大な作品世界を表すのにはピッタリで、これまでのシリーズにない絵造りと思う。
加えてIMAXのでっかい画面でその広がりを堪能できた。
ただ、だからなのかそれとも3Dの弊害?なのか、飛んでる宇宙船がやたら小さく見えた。
実際に見せたいはずの大きさに見えず、時には模型のように見えたりして、ひと昔前の特撮っぽく見えること多々。
それだけが最新の映画らしくなく、しっくりこなかったな。

あとこれまでと違うなと感じたのが地上戦闘シーンでの爆発。
現代の戦争映画風で、身近で爆発するのがなにやら生々しい。
スター・ウォーズの戦闘シーンって未来の物語らしく、レーザー光線が行き交い、ライトセーバーが閃くものだった。
銃撃戦はレーザーが地面や壁に突き刺さり終わるので、スマートなイメージだった事に気付かされる。
爆発もあるにはあったが、基地施設の爆発を遠くから撮ったりとか、あまり過激でなかったよな。

そして一番の驚きはやはり懐かしの登場人物たちの再登場。
ダース・ベイダーはマスクを被ってるからなんとでもなるんだろうけど、モフ・ターキン総督、モン・モスマ最高指導者、レッドリーダーにゴールドリーダー、そしてレイア姫、なんて方たちが当時の姿で演じているのだ。
そんな事態が目の前に展開している不思議は、一作目を見てから40年弱という時を生きてきた記憶があるゆえの感慨だろう。
詳細不明だがさらりとネットで調べたところでは、昔の映像を使ったりCG合成したりを組み合わせて作っているらしい。
ターキン総督はシーン毎に微妙に違った印象を受けたので、昔の映像とCGの両方を使っていたのだろう。
その辺はIMAXの高精細な表現力が仇となったと言えるか。
レイア姫は一瞬だけだったので違和感なし。
でもちょっと美化しすぎ?
ツルピカの若々しいお姫様だった。
今のCGはホントにもうなんでも作れちゃうんだなあ。
そんななか、モン・モスマは当時と別人の役者さんが演じているらしい。
メイクで多少は似せてるのかもしれないけど、登場した瞬間彼女だと認識しちゃったのでうまいもんだ。
二人並べれば違いは明確なんだろうけど、…やっぱり違和感なかったなあ。

物語はそのモン・モスマがエピソード4での最終決戦前、とても多くの犠牲を払い入手したと静かに嘆くデス・スターの設計図奪取の顛末である。
多くの犠牲と言うとおり、この物語の反乱同盟軍側の主要登場人物は全て戦死してしまう。
ハッピーエンドな映画がほとんどのご時世だが、物語の性質上そうであるべく作られていて納得感がある。
大人の物語ですな。
そしてデス・スターがなんでたった一発の魚雷で木っ端微塵に爆発してしまうような造りなのか、その理由が明らかになる。

さて一作目から見ている者にとってはその他にも感涙もののシーンがオンパレードである。
両軍の兵器はほとんどエピソード4~6で登場したものばかりである。
デス・スターのスーパーレーザー管制装置は当時のイメージそのままだし、携帯式対戦車ロケット弾に頬を殴りつけられるAT-ATも相変わらずの存在感である。
ヤビンから飛び立つ船を見送る監視兵とか、旧作をうまく意識させるなあと思った。
なにも知らない人が見ても楽しめるのだろうけど、やっぱりスター・ウォーズのファンが最も楽しめる作品になってると思う。



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