心情表現

2011-03-04 00:40:00 | 音楽&本&映画
「英国王のスピーチ」を観ました。
今日はそのお話しを。
お話ししたい事の背景を知ってもらわないといけないので、出だしのあらすじを書かねばなりません。
一度見た記憶だけで書くので、いろんな点で間違いはお許しを。

以下、ネタバレたっぷりです。
内容知りたく無い方はご注意ください。

時は第二次世界大戦前。
英国王室のヨーク公は子供の頃からの吃音に悩む日々。
国家的催しがあれば、スピーチする役割が回って来ますが、言葉に詰まり話せずに終わる経験も。
吃音を治すため、いろいろな治療を受けますが上手くいきません。
そんな中、ヨーク公のお妃は、下町に住まう役者崩れの治療士を見つけて来ます。
自分のやり方を曲げない彼は、ヨーク公であろうと自分のオフィスに出向いてくる事を要求します。
ヨーク公はお妃の勧めに従い、仕方なく訪れ治療を受け始め…。
と言う始まりです。

治療士のオフィスは薄暗く、広いスペースの中央壁寄りに粗末なソファーがあり、ヨーク公はそこに座り治療士の質問に答えていきます。
もちろんいやいやです。
その時のカメラワークが面白い。
ヨーク公はゆったりと座ってはいるのですが、画面の左端にヨーク公を映し、さらに加えて左を向かせ、非常に窮屈。
画面右側は治療士の息子が塗ったと言う壁が、薄緑に暗めの赤や茶や青や紫が細かく混じる刷毛跡が模様となって、なんとも言えない色。
漫画の吹き出しが頭から出て、ぐるぐる渦巻きが書いてあるよう。
なんで自分はこんな所で意に添わぬ質問に答えねばならんのだ。
と言う心情がありありと見え、引き込まれてしまいました。
対する治療士を映す時は彼を右端に置き、左を向かせ落ち着いたイメージ。
二人が対話する時はこの対比を効かした映し方が続きます。

物語が進むと、ヨーク公は治療士を認めだすのですが、それにつれヨーク公の画面上の位置も変化。
ずいぶんと真ん中に映して貰えるようになります。
それでも体を左に向けているのに中央より左に配する不安定さは変わらない。
また一段話が進むと、上記の配置で顔だけ右を向かせ、安定してきます。
頑なだった心を開き始めたのが伺えます。

このまま大団円に向かうのかと思いましたが、それでは物語として面白くないのか、山谷挟みます。
そして物語最後のスピーチへ。
最後の方はあるべき配置で映すのかと予想しましたが、そうはさせず、不安定さを残しながら終わってしまいました。
最後に二人対するのはスピーチの場面でしたから微妙ですが…。
精神的な原因で起こる吃音は容易には解消できず、この後も戦い続けて行くものである事を示唆したかったのかな、と思ってます。

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2 コメント

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英国王のスピーチ (Aちゃん)
2011-03-04 09:54:01
水曜日に観てきたばかりです。
後味の良いいい映画でしたよね。
主演男優賞を取るだけの事はある演技力でした。
とくに顔の表情がね。
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アホウドリ (よかばか)
2011-03-05 01:55:46
Aちゃんさんもご覧になってましたか。
楽しめましたよね。
私は奥さんのエリザベス妃がチャーミングで好きでした。

私が見た回の観客に外国の女性3人組(入場時目だってました)がいらっしゃっいました。
バーティが娘二人にお話しをしてあげるシーン。
お話しの主人公がキスをされてアホウドリに変わったというところで、その一画だけ笑い声が上がっていました。
日本人にはピンときませんが、英国では翼の大きな鳥の代表として、いろいろと逸話があるのでしょうね。
そんなところも理解して観る事ができたら、もっと楽しいんだろうな。

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