映像は、大橋家伝来の駒。
およそ400年余り前に作られた、素材は桑木の駒。
(この映像は先月もアップしましたが、昭和60年ごろに撮影した写真で、小生の工房に掲げているパネルです)
大橋家では、永年にわたり「後水尾天皇真筆の駒」だと伝えられてきたのですが、
しかしご覧のように、この駒は「水無瀬兼成卿」の筆跡そのものだとわかります。
大橋家では、なぜ、そのように伝えられてきたかです。
それは類推するに、天皇の作だとして「箔」を付けたかった。そう思うのです。
ゲスの勘繰りではありませんが、そのように言うことで「箔」を付けたかったのでしょうね。
何事もそうですが、世間でまことしやかに言われていることには、一歩引いてよく見極めることが大切だと思うのですね。
この駒は昭和15年前後に、大橋家から木村名人に、大橋家に伝わってきたほかの数組の駒とともに一括売り渡されて、以降、木村名人家の所蔵となりました。
それから半世紀近くが経過して、大阪の将棋会館内に創設された「将棋博物館」に納めるに先立って、木村家から「本当に、後水尾天皇の作ったモノかどうかを見てほしい」との要請があり、神奈川県茅ケ崎にある名人宅にて拝見させていただいて、上記の通り作者は「水無瀬兼成卿」だという結論となりました。
なおこの駒は、将棋博物館解体後、茅ケ崎の木村家(長女・朝子さん)のもとに戻されたと聞き及んでいます。
駒の写真集
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