熊澤良尊の将棋駒三昧

生涯2冊目の本「駒と歩む」。ペンクラブ大賞受賞。
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エンブレムの著作権問題

2015-09-02 05:29:13 | 文章
9月2日(水)、小雨。

例年になく早い秋雨続き。
涼しさと、チョッと蒸し暑い感じです。

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最近作ではありませんが、自作駒の映像がすぐに見られるようにしました。

ところで、東京オリンピックのエンブレム。
報道されるに従って、著作権がらみの問題が明らかになってきました。
いわゆるパクリ疑惑。
これは、著作権侵害。

著作権と、ブランドや商品デザインの商標権。
これを混同している人も多いようですが、全くの別物。
商標権は特許庁へ登録すことで、商標や商品デザインの占有権が付与される仕組みです。

対して、工芸品、デザイン、本などの著作、写真、映画。
これには、作成して公になった途端、自動的に法的な著作権が生じる。
作者が亡くなって50年経てば、著作権は消滅。
今度のTPPではそれが70年になるそうです。

ところで、駒は手作りの高級品は、創作的工芸品、芸術品でもあります。
創作された駒は、作られた途端、その文字の特徴に著作権が生まれます。
よって近年に発表された駒には、著作権があると言うことを認識しておく必要があります。

なお、量産品の駒は芸術的要素が希薄であり、それには当たりません。
100年も経った古い駒なら著作権は消滅しており、法的には問題はない。

ソレを知ってか知らずしてか。
問題のあるなしを一緒くたにして、誰かの駒を、無頓着にコピーして作る。
いわゆる、パクリ、良く言えば模倣。
駒作りの世界には、そんなことが横行しているのですね。

駒文字の模倣は要注意なのです。
勉強のためなら、模倣も許されることではあります。
そのことは35年前「駒づくりを楽しむ会」の会報でも訴えてきたことでもあります。

会報では「創作書体コンテスト」を3回やりました。
創作物ですから、著作権は必ず付いて回ります。
で、作品の著作権は会に帰属し、応募作品は他の人が自由に使って良いことを応募条件にしました。
結果、3回の応募作品は70ほど集まりました。

「紫電」とか「阿里」、小生の「空蝉」などは、その一つ。
加えて「無双」も、皆さんに開放している自由に使って良い書体の一つです。

一方、自由に使って貰っては困るモノもあります。
「古水無瀬」は、当初から小生の占用として大切にしたいと、無断使用をお断りしています。
そしてもう一つ「谷川浩司書」。
勿論、谷川九段のオリジナル書体には著作権がありますよね。

そして、今回のエンブレム騒ぎ。
プロ、アマを問わず、他山の石として、駒づくりでも心せねばと思う次第。












コメント (2)
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