1月5日(日)、晴。
映像は、布盤に並べた「摩訶大々将棋駒」。
上の巻紙は、兼成さんの将棋図。
これとにらめっこしながら駒を並べて、出来上がりの映像。
余り歩は2枚にしました。
盤の大きさは碁盤サイズ。こんな感じです。
右は余分に作った端数の駒。
4月7日(月)、晴。
本日の映像は、江戸時代中期と思われるオリジナルの「守幸筆の駒」(右)と、そのレプリカ(左)。
レプリカは、30年くらい前に盛り上げで作成しました。
オリジナルの駒は、大阪の前所有者が、名古屋の大須骨董市で買い求めたものということで、ある時、それを当方に持参して「消えかかっている文字を修復してほしい」とのことでした。
「どれどれ」と拝見するに、「この書体文字は初めてです。相当古く、直書きの文字は半分消えかかっているものの貴重なもの」だと分かり、そして、漆が消えている部分は、白く日焼けせずに、復元できることが分かりました。
それで「私が下手に触るのではなく、これと同じ文字で複製品を作りますので、それを使うようにしてください」。
ということで、レプリカを2~3組造ることにし、それから数か月後、出来上がったレプリカ駒を受け取りに来てもらい「このオリジナル駒は貴重なものですから大切にしまっておいてください」とお返えししました。
更にそれからおよそ10年後、あの駒が見たくなって「もう一度拝見したい。写真も撮りたいので、工房までお持ちくださいませんか」と。
ということで、その方に、あの駒を我が仕事場に持ってきてもらうことになりました。
ところがです、その駒を見てビックリ。
消えかかっていた文字に、墨書きが。
聞くと、「消えている文字を墨で補って、これを使っていました」というではありませんか。
「アリャアー」。
それは取り返しがつかないこと。
その方にとっては、大須で求めたオリジナルの駒(おそらく、数千円?)より、私が作ったレプリカの駒の方が、よほど高かったのでしょう。
済んでしまったことは仕方がない。という訳で、私は提案しました。
「その駒と、ここにある私が作った彫り埋め駒(書体は忘れました)を、交換してくれませんか」。
「分かりました。願ってもいないこと」ということで、オリジナルの駒は私の所有になり、それがこの写真。
しかし誠に残念。
私は、墨書きを濡れた布でゴシゴシと取ろうとしました。しかし、上手くゆきません。写真のように汚れた墨跡は、うっすり残ったまま。
後日談として。
最初にオリジナルに出会ってから数年経ったとき、顧問をしていた将棋博物館で、守幸書の駒に関する古い書付を見つけました。
それは大橋家に伝わった覚え書きで、それがこの映像です。
読むと、
表題は「先の宗桂より相伝什物」とあり、
一、将棋家宝 箱一組。
内、
小将棋勅筆之駒 壱面。
同水無瀬殿筆駒 三面。
中将棋駒同筆 三面。
小将棋駒守幸筆 壱面。
(以下略)
この「守幸筆」の駒とある記述との思わぬ出会いに、小躍りしたのでした。
本日は、以上。
以前にアップしていたのですが、
改めて、アップしておきます。
なお、以前のコメントでの問い合わせには、遅ればせながら、以下、説明しておきます。
蒔絵の盤は、一旦、普通の盤と同じように、無垢のままで盤を作り上げるところから始めます。
出来上がった盤の側面には、先ずは、麻布を張り付けます。(これを、布着せという)
布を張り付けるのは漆(黒漆)でですが、盤側に蝋が塗ってあると、麻布が張り付かないので、盤側には蝋を塗らないままが良いのです。
しかし、モノによっては普通の盤のように蝋が塗り込まれている場合も多く、その時は蠟を削ぎ落す必要があります。
(蝋のそぎ落としが不完全であれば、後に剥がれてしまいますので、完全にそぎ落とすことが肝要)
張り付けた麻布が完全に張り付いた後は、さらに漆を何回も塗り重ねて、真っ平に研磨して黒漆の面を作ります。(研磨は、砥石やサンドペーパーを使う)
これが終了することで、その側面に蒔絵の技法で家紋や図柄を描くことになります。(以下、蒔絵の工程は略す)
なお、盤の裏と脚は、無垢のままで(布着せはせずに)黒漆で塗り立てるものと、普通の盤のように木地のままで仕上げる場合の二通りがあります。
4月16日(水)、晴。
今考えていることは、二つ。
その一つは、拙著「駒と歩む」のこと。
1000部発行して1年と4カ月。現在は約300部が残っているのですが、これをどうするかです。
これまでは、専ら小生のブログでPRしてきましたが、半年後、そのブログの活用が出来なくなるということで、今後はどうするかです。
38年前に上梓した「名駒大鑑」は、2700部を作成して残数が残り少なった時点の7~8年経ったとき、価格を3800円から4500円に改定して、その後に備えた経過がありましたが、今回の「駒と歩む」は、今後どのようにPRしてゆくか。
前回は、「週間将棋」という恰好なメディア媒体でときおり記事に取り上げてくれたので、それが本の注文につながって、完売に至ったのですが、今回はそのような媒体がありません。
しかも半年後には、私にとって唯一の広報としてのブログが無くなってしまうのです。
その一方、「本」の価格ですが、この際、改訂することも考えていて、現在は4500円のところを、今後は宣伝広告費が余計に掛かることを考えると、近いうちに1000円程度の改定も必要ではないかと思ったりしております。
マアーそんなこんなで、今は考えているところですが、皆様には「本を買い増ししても良いかなとお考えの方は安いうちの今、早いうちにご協力を」と、申しあげます。
4月14日(水)、晴。
先程、このブログを提供しているグーグルから「本年11月をもって、さービスを終了する」との情報がもたらされました。
「へー、そうか。今あるものは何でも、いつかは無くなるのが必定」。
終了するのは、更新が出来なくなるのか、画面で見ることが出来なくなるのかはわかりませんが、
小生によっては、10数年続けてきましたので寂しさもありますが、頃合かもしれません。
それまでは、今のペースで続けるわけですが、その後のことは、その時、考えることにします。
という訳で、今日は以上でした。
4月13日(日)、小雨。
朝から小雨。降り止む兆しはありません。
映像は、風情ゼロの工房入口付近。只今の様子。
白い花は、花ニラ。
四角いのは、石造りの将棋盤。
20年か25年くらい前に、車で通りかかった隣町の骨董屋で見つけたもの。5寸くらいの厚みです。
4月2日(水)、曇りに小雨。
近くの桜並木、満開近しの見ごろですが、やや寒さあり。
本日の映像は「飛車」の駒根付。裏には「一灯破闇」の文字。
表裏共、文字は肉筆の直書きで、ふるさと納税の返礼品です。
昨年の11月に注文を受けて、12月に出来上がったモノですが、当方のミスで、役場に渡すのを怠って、数か月を経過しておりました。
3月になって、役場から問い合わせがあり、記憶を辿ってどこかにあるはずのものを見つけようとしたのですが分からず、急遽、もう一つ作ることにしました。
それが出来上がっての先日、もう一度、心当たりを見直したところ、前の分が見つかりました。
以上、お粗末なことでしたが、ご注文者には大変迷惑をかけてしまいました。
申し訳ありません。
ということで、この根付、出てきた一つを加え、近日中に二つをお届けすることにします。
注文者のお名前は存じ上げません(あの方かもしれない感じはある)が、大変遅くなり申し訳ありません、お許しください。
3月9日(日)、晴。
本日の映像は「守幸」ではなく、正しくは「兼成卿水無瀬」でした。
とんだ勘違いで、説明が間違っていました。訂正いたします。
久しぶりの彫り駒。
彫り駒は得意でなく、あまり作らないのですが、リクエストの応じました。
同じ文字で、盛り上げも作成中。
こちらの出来上がりは、後ほど。
3月4日(火)、嵐模様。
春の嵐。気温は冬へと逆戻り。
北寄りの冷たい風が吹き止まず、身も心も凍えそう。
只今、確定申告の季節でもあります。書類作成中。
内容的には例年並みというところで、作業はまもなく終わり、今週中には提出できそう。
その合間に駒仕事もボツボツと。
「兼成卿水無瀬」の盛り上げと彫り。
こちらは、あと1週間ほどでしょうか。
そんな折、今日、彫り始めたのが「守幸」一組。
出来上がりは、春爛漫の頃でしょう。
そんな今日この頃ではあります。
2月20日(木)、晴。
只今、下弦の月がうっすらと南の方向に見えています。
10日以上ぶりの更新になります。
あまりにも空白期間があったので、お見舞いと言いますか、気づかいのコメントを貰いました。
ありがとうございます。
毎日は至って元気にしています。
この間、取り立てて書くこともなく、その結果ではありますので、ご安心くださいませ。
今日は以上です。
2月8日(土曜日)、只今曇り。
おはようございます。
朝、起きて窓を開けると加茂の里は雪景色。
昨夜は少し雪が降ったようです。
街の屋根や田と畑、道路は白いのですが、取り囲む山の木々は黒いまま。白黒の珍しい景色に驚きました。
北の町では豪雪だというのに、丁度良い加減に降ったのですね。
今週は孫娘が一人来て、4日ほど泊まっていったのですが、昨日、雪積る富山に帰ってゆきました。
夕刻、無事、戻ったとののことで一安心。
そんな今日この頃です。
2月5日(水)、曇り。
北風も強く、寒い一日でした。
本日の映像は、駒木地3組。
いずれも、御蔵島ツゲの柾目。
予てから小生が使うべく成型していたもので、歩兵の予備駒を含め、45枚ずつセットしています。ご希望の方に、3組まとめて送料込みで、25000円でお譲りいたします。
ご希望の方は、その旨、コメントにてご連絡ください。