4月25日(金)、曇り。
本日の映像は、これまでも何度かアップした「漆筆」。
猫の首周りの毛で拵えた「玉毛の蒔絵筆」。
猫は、この筆のために大事に育てられたもので、首回りの毛は、先が擦り切れることが無いので、蒔絵筆に使われるとのことです。
一番手前が使用中。その他は、未使用のもの。
太さは1ミリほど。穂先と軸は分解出来て、穂先の長さが調整できる構造で、軸が細いので、持ちやすいようにグリップを付けています。
1本で、1年くらいは使います。
いずれも大阪の角岡嘉七製で、20年か25年前に作られたもの。
この筆との最初の出会いは、大阪の漆屋さんでした。
漆筆は、色々を手に入れて試し使いしたのですが、この筆を手にしてからは、専らこれを使っていて、或る時、在庫が残り少なくなったので追加で買おうとしたのですが、なぜか筆の制作者との取引が断絶して「もう店には来ない」とのことでした。
それからしばらくして、上京したある時、この筆を見つけました。
そのお店は、銀座8丁目(新橋近く)にあって、「ヨシヨシ」と、何本かを手に入れました。
それから数年が経って、銀座の漆屋さんから「作者の高齢と材料不足で、廃業した」との情報があり、そこで、一生涯使えるようにと20本ほどをまとめ買いした経緯があります。
その時の伝票が残っていて、2004年の時は一本3900円。2015年では4900円。結構高価なものでしたが、その価値は十分。
今はどの位するか知りませんが、製造中止になって10年の今では、手に入らない小生にとって貴重なものとなりました。
なお、「角岡製」にはシールが本来の長円形でなく、四角いシールの別人で作られた筆もあり、それは格段に品質が劣るものです。
駒の写真集
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