A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

アンサンブルにソロにラッセルガルシアのアレンジの牽引役はやはりロソリーノ・・・・

2015-03-30 | MY FAVORITE ALBUM
Four Horns and Lush Life / Russell Garcia

先日来、フランクロソリーノ関連のアルバムが続くが、ついでにもう一枚。

西海岸と東海岸の両方に拠点を持っていたベツレヘムレーベル、マルウォルドロンのレフトアローンのような有名なアルバムも多い。ウェストコーストとイーストコーストの両方の良い所を生かしたアルバムだけでなく、カタログには歌あり、大編成ありでバラエティーに富んでいて、中には一捻りした特徴あるアルバムも多い。何が出てくるかはお楽しみといった感じが他のレーベルとの違いだろう。すべてを聴いた訳はないが好み的には自分の好みのものが多い気がする。

このアルバムのメンバーを見渡すと、ウェストコーストの代表的な面々。中にフランクロソリーノの名前もある。
自分はこれで買い求めたアルバムだったが、このアルバムは誰のアルバムかというと、アレンジャーのラッセルガルシアのアルバムだというのが多分正解だろう。アレンジャーとしてはジャズの世界よりは、映画音楽の方で有名。それも60年代になってからのアレンジの方がガルシアの特徴が良く表れている。
この録音が行われたのは1955年、当時から映画音楽の方で十分に稼いでいたようなので、どうやら好きにやっていいよという事で作ったアルバムの様だ。



フォーフレッシュメンのアルバムにファイブトロンボーンズというアルバムがあった。コーラスとのトロンボーンの組み合わせが実にいい感じであったが、トロンボーンのアンサンブルというのは心地よいサウンドを聴かせてくれるものだ。

このアルバムの編成上の一番の特徴は、このトロンボーンのカルテットが主役であること。今でこそトロンボーンカルテットというのは数多く誕生し、ライブもよく行われているようだが、当時としてはそれほど一般的な編成であった訳ではないと思う。

メンバーは西海岸を代表するフランクロソリーノを筆頭に、ハービーハーパーなどが参加しているが、もう一人の目玉がメイナードファーガソン。普段はトランペットだが、ここでは全編バルブトロンボーンで参加しているのも珍しい。

そして、アレンジ上でもこのアルバムを特徴づけているのが、バリトンサックスを一本加えている事。普通のビッグバンド編成だと、バストロンボーンを加えて低音域のアクセントをつけるが、このアルバムではバリトンサックがその役を果たしている。そして、その効果がアレンジ上でも実に良く機能しているように思う。

そして、素材はスタンダード曲。冒頭の曲だけが、ガルシアのオリジナルだが他は皆有名なスタンダード曲ばかり。

ピアノはマティーペイチ。普通であれば編曲でも大活躍するのだが、ここではピアノに専念している。これもまた珍しい。それに、スタンレヴィーのドラムに、ベースのレッドミッチェルが加わっている。

これらが、ガルシアの前に揃えられた素材で、どう好きなように料理するかが聴き所になる訳だが。
もちろん4人のソロが交互に登場しその聴き較べも楽しいが、やはりトロンボーンのアンサンブルワークが軽快でかつ重厚なサウンドが心地よい。ピアノに専念しているペイチもバックにソロに単なる伴奏以上の働きだ。

アンサンブル物が好きな自分にとっては、思わぬ拾い物のアルバムだが、トロンボーン好きの方にもお勧めだ。それにしてもロソリーノは自分のリーダーアルバムでなくとも、どこに登場してもいつも実にいい演奏をするものだ。



1. I'll Never Forget What's Her Name        Russell Garcia 3:20
2. But Beautiful          Johnny Burke / James Van Heusen 2:17
3. Dancing on the Ceiling        Lorenz Hart / Richard Rodgers 3:09
4. The Boy Next Door                 Hugh Martin 2:37
5. Just One of Those Things               Cole Porter 4:06
6. Zigeuner                      Noël Coward 2:55
7. Limehouse Blues          Philip Braham / Douglas Furber 3:04
8. Lush Life                     Billy Strayhorn 2:07
9. Lover, Come Back to Me  Oscar Hammerstein II / Sigmund Romberg 5:36
10. Ramona              L. Wolfe Gilbert / Mabel Wayne 2:40
11. Someone to Watch over Me     George Gershwin / Ira Gershwin 2:31
12. What Is This Thing Called Love            Cole Porter 3:04

Frank Rosolino (tb)
Maynard Ferguson (vtb)
Herbie Harper (tb)
Tommy Pederson (tb)
Dick Houlgate (bs)
Marty Paich (p)
Red Mitchell (b)
Stan Levey (ds)
Russell Garcia (arr)

Recording Engineer : Val Valentine
Recorded in Los Angeles, CA, November 14, 1955

フォー・ホーンズ・アンド・ア・ラッシュ・ライフ
クリエーター情報なし
SOLID/BETHLEHEM
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