A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

良いプレーをするにはホームがいいか、アウェイがいいか・・・

2015-03-07 | CONCORD
Bye Bye Baby / Ed Bickert

スポーツなど勝負の世界では、ホームゲームとアウェイの違いが勝敗を大きく左右することがある。こと音楽の世界となると、ホームグラウンドでいつもの慣れた場所で馴染みのファンに囲まれてアットホームな雰囲気で演奏するのは気楽なものだ。ところが、アウェイになると見知らぬ土地で見知らぬ聴衆を相手に、時には異国の地で果たして自分の演奏が受け入れられるかどうかが、まずは心配になるだろう。

その昔、日本のミュージシャンが海を渡り本場アメリカで演奏した時は、皆、同じような感覚を持ったようだ。今ではミュージシャンは、若い頃から世界で活躍するのが当たり前になった。情報化の時代で小さい時から世界中の情報に何でも接することができ、手軽に海外に行ける時代、海外留学や武者修行するのも当たり前の様だ。時代も大きく変ったものだ。

ジャズの創世記は広いアメリカでは、同じアメリカでも違ったスタイルのジャズが各地で育っていた。単に北部と南部だけでなく、都市毎にスタイルがあった。違うスタイル同士が交わり合った時には、お互い緊張感が生まれる一方で新しいスタイルが生まれていったようだ。今では、いつのまにか同化しているようだが、何となく西海岸と東海岸の演奏にはまだ何か違いを感じる。特にビッグバンドでは。

カナダはアメリカの一部の様に感じるが、カナダ出身のジャズミュージシャンも多い。オスカーピーターソンやメイナードファーガソンは早くからアメリカで活躍していたので良く分からないアが、果たしてカナダスタイルのジャズはあるのか、無いのか興味が湧くが・・・。

もちろん地元カナダで活動を続けるミュージシャンはいる。ペッパーアダムスのラストアルバムで共演したDenny Christiansonもその一人だが、トロントを拠点として活躍していた一人に、ギターのエドビッカートがいる。
ポールデスモンドと一時コンビを組んでアメリカでも活動したようだが、その後は、またカナダに戻って活動をしている。どうも、ツアーの多い演奏活動は性に合わなかったようだ。
そのビカートを再びアメリカのジャズ界に紹介したのは、ギター好きのカールジェファーソンだった。

自ら主催するコンコルドジャズフェスティバルにも招待したが、自分の傘下のミュージシャンを引き連れてカナダを訪れ、ローズマリークルーニーのアルバムに参加させたりビカートをリーダーにしたアルバムも作った

そして、今度はジェファーソンの地元にビッカートを招くことになった。ツアー嫌いのビッカートを待ち受けたのは、コンコルドではお馴染みのプレーヤー、そしてお馴染みのスタジオであり、エンジニアのフィルエドワード達であった。いわば、コンコルドの故郷を訪れての演奏となった。もちろんコンコルドスタイルの演奏は経験済だが、今回も郷に入っては郷に従え、ジェファーソンのプロデュースの元でアルバムが作られた。

メンバーは、流石に一人では心細かったのか地元でいつも一緒に演奏しているベースのSteve Wallaceを帯同した。そして、選んだ曲は、スタンダードだけでなく、パーカーやホレスシルバーの曲も。とりあえず、手の内はすべてご披露ということだったのかも。結果的に、今回は管やボーカル無しのカルテットだったので、アルバム全体のトーンを決めたのは何といってもデイブマッケンナのスインギーはピアノの影響が一番大きかった。特に、Duoで演奏されるBye Bye Babyが、マッケンナのピアノに引っ張られて本領発揮という所だろう。

ビッカートにとっては、共演したメンバーだけでなく関係スタッフ全員に歓待され、アウェイであっても何の緊張も無くコンコルドスタイルで自分の演奏を披露できたセッションだったと思う。
たまには、アウェイで気分を変えてというのも良かったかも。その中でも変わることが無かったデスモンドが気に入ったというビッカートのクールトーンがカナダスタイルなのかも。

1. You're in Love With Someone        J.Burk/James Van Heusen 4:23
2. Bye Bye Baby                 Leo Robin / Jule Styne 3:40
3. Barbados                      Charlie Parker 4:10
4. It's Time                       Horace Silver 4:02
5. Nobody Else But Me       Oscar Hammerstein II / Jerome Kern 4:57
6. Things Are Getting Better            Cannonball Adderley 4:33
7. A Flower Is a Lovesome Thing            Billy Strayhorn 5:31
8. Pensaliva                      Clare Fischer 4:44
9. Keeping Myself for You        Vincent Youmans / Sidney Clare 6:13

Ed Bickert (g)
Dave McKenna (p)
Steve Wallace (b)
Jake Hanna (ds)

Produced by Carl Jefferson
Recorded at Coast Recorders, San Francisco, California, August 1983
Originally released on Concord CJ-232
コメント (2)
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