A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ジャズの世界も女性陣の活躍が目立つが、ギターとなると・・・・

2014-02-19 | CONCORD
Take Two / The Emiley Remler Quartet

いやいや凄い雪でした。
好きなゴルフもしばらくお預けですが、これだけ雪の休業が続くと、除雪の費用が掛かる一方で、収入は日銭に頼っているゴルフ場は経営的にも厳しい所が出てくるのではないかと案じてしまう今日この頃です。

それにしても、今回の大雪対応では色々な事が起こっているようです。
政府の初動が遅れたとか、山梨県では大雪警報では災害対策本部の設置はしない決まりになっていたとか、秩父市が要請した自衛隊派遣を県が断ったとか、NHKがオリンピックの放送を優先し災害報道をしなかったとか・・・・・。
一方で、配送用のパンを被災者に配ったヤマザキパンが賞賛され、石和ではボランティアチームが市内の道路に閉じ込められていた車の誘導、情報提供に大活躍し、その模様をツキャスでライブ中継して話題になっていました。雪に閉じ込められていた車は、山道や高速だけでなく、市内にも見捨てられてたくさんあったということです。

これらの事象は一言でいえば、想定外の事が起こった時に、本来やるべきことに対して組織は何も機能しなかったということです。もちろん、現場にいる人は歯がゆい思いをしたと思いますが、ルールがすべてに優先、指示がなければ動けない、勝手に動けば処罰されるという今の時代の象徴的な事象です。

今や、どの業界でも配送業務などはすべて外部委託の時代、ヤマザキパンのような配送車はたくさんあったと思いますが、積み荷はすべてお客さんから預かった大切な物。ドライバーの勝手は判断で配ることなど絶対にできないのが現実だと思います。ヤマザキパンの行為が誰の判断でされたか興味があるところですが。いざという時は現場の裁量に任されていたのであれば素晴らしいことです。

一方で、ボランティアの勝手連の連携は素晴らしかった。現場で実際に作業をしているメンバーに対して、必要な的確な情報はツイッターで読者から適宜提供されるという姿は緊急時のSNSの使われ方としてはまた新たなモデルができたような気がします。

これを支えたのは現場の裁量と事実情報の正確な把握と提供。今回のように「現場で困っている人を助ける」という単一目的に対しては、大組織を動かさなくとも対応できる人がネットワークを組めば実現できるということを立証したような気がします。

お役所がよく防災や地域コミュニティー活動におけるICT利用の施策をやっていますが、なかなか成果に結びつきません。ツールありきで、それに人の動きを合わせようとしても大体うまくいきません。運用にも複雑なルールが伴うもの原因の一つです。一方で、やるべきことが明確で、やるべき人が居さえすれば仕組みは複雑な必要がなく、現場の裁量で物事が進むということになるのは自明の理なのですが。現場の責任感も自然に昔の時代に戻ります。

という訳で、前段が長くなったので、本題に戻ることにする。コンコルドのニューヨーク録音が続く。

最近ジャズの世界も女性陣の活躍が目覚しい。昔は女性のジャズプレーヤーといってもボーカルかピアノが通り相場であったが、最近は管楽器が目立つ。ビッグバンドでもベテラン男性に混じって女性の姿を見受けるのが当たり前になってきている。ライブではむさくるしい男性よりも女性の演奏する姿はビジュアル的にも楽しさが倍増するので嬉しいが。

このように、女性プレーヤーが当たり前になってきても、不思議と女性のギタリストにはなかなか巡りあえない。最近の若いグループは良く知らないが、これまでお目にかかったことはないし、思い出すことはできない。
最近のブラスバンドは女性陣の活躍が目覚しいらしいので、ブラス陣の女性進出は理解できるが、ギターとなるとやはりロック系からの流れになるからなのか?

こう思っているのは自分だけかと思い、ネットを見たら同じような疑問を持っている方がいるようで、やはり認識は正しかったかのと一安心。


ギターが充実しているConcordであるが、ここではうら若き女性ギタリストがデビューしていた。もちろん女性のギタリストが少ないのは日本だけでなくアメリカでも同じなので、今思えばこのエミリー・レムラーのデビューは衝撃的だったかもしれない。

ファーストアルバム”Firefly”でも新人とは思えない演奏をしていたが、早速第2作が続いて出た。今回は、彼女の本拠地ニューヨーク録音、メンバーも新進気鋭の若手との共演だ。彼女が選んだのかもしれない。

ピアノは、自己の素晴らしいアルバム”Arioso Touch”を制作したジェームス・ウィリアムス。前作がハンクジョーンズだったので、これだけで両方のアルバムの違いに興味が湧く。
ベースは、ドン・トンプソン、ドラムはテリー・クラークというと、これは当時のジムホールトリオの面々。バックは完璧だ。

実はレムラーと、トンプソン、クラークはレムラーがトロントに行ったときに、連日gigを行ったプレー仲間だったそうだ。それ故、演奏に一体感を感じるのはそのような布石があったからなので不思議はない。

いきなり、キャノンボールの曲からスタートするが、選曲もA面はブルーベック、ゴードン、タイナーの曲と、すべて有名ジャズメンのオリジナル。このような選曲も珍しいが、演奏は素晴らしい。ある時は流れるように、そしてある時は煽る様なバックは、否が応でもレムラーのプレーは高揚してくる。ウェス・モンゴメリーに影響を受けただけあって、時にはオクターブ奏法も交えて縦横無尽、男勝りの演奏だ。弱冠24歳の女性のプレーとは思えない。B面では自分のオリジナル曲を2曲、そしてモンゴサンタリアにモンティーアレキサンダーと少し曲想を替えた側面も見せてくれる。

久々に聴いたが、これも良いアルバムだ。彼女が今生きていたら大ギタリストになっていたと思う。彼女のようなお手本がいると、女性のギタリストももっと増えていたかもしれない。



1. Cannonball          Cannonball Adderley 4:48
2. In Your Own Sweet Way    Dave Brubeck 4:52
3. For Regulars Only      Dexter Gordon 6:43
4. Search for Peace       McCoy Tyner 5:17
5. Pocket Wes          Emily Remler 6:45
6. Waltz for My Grandfather   Emily Remler 6:35
7. Afro Blue        John Coltrane / Mongo Santamaria 2:24
8. Eleuthra           Monty Alexander 6:20

Emily Remler (g)
James Williams (p)
Don Thompson (b)
Terry Clarke (ds)

Produced by Carl Jefferson
Recording Engineer : Ed Trabanco
Recorded at Soundmixers, New York June 1982
Originally released on Concord CJ-195

Take Two
Emily Remler
Concord Records
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