The Al Cohn Quintet
ペッパーアダムスがニューヨークを離れスタンケントンオーケストラに加わり、引き続きロスで活動をしていた’56年~’57年にかけて、ジャズ界は活況を呈していた。ハードバップが台頭し、ウェストコーストジャズも興隆を極めていたが、モダンビッグバンドが誕生し、古いジャズも復活していた時代だ。
ジャズが一番元気だった時代だが、日本では「3丁目の夕日」の頃、戦後の復興、そして技術革新によって世の中全体が高度成長の波に乗り始めた頃で、今と違って「勢い」があった時代だ。
この時代のジャズ、大きく分ければ黒人中心のイーストコーストジャズ、そして白人中心のウェストコーストジャズに大別されるが、中身を紐解くとそう簡単には割り切れない演奏もたくさんある。
アルコーンというテナー奏者がいる。白人ではあるがずっとイーストコースとで活躍をしていた。アレンジャーとしての活動だけでなく再びテナー奏者としての活動に重きを置いていた’56年、コルトレーンとのセッションにも参加していたし、メイナードファーガソンのドリームバンドにも参加していた。クールなトーンではあるがいわゆるウェストコーストジャズとは一味違った熱っぽい演奏をしている。
そのアルコーンがボブブルックマイヤーと組んだアルバムがある。ブルックマイヤーといえば、スタンゲッツやジェリーマリガンとのコンビが有名。誰と組んでも相手との絡み方が実に絶妙。バルブトロンボーンという楽器のせいもあるが。このブルックマイヤーの演奏もいわゆるウェストコーストジャズとは少し軸足を異にしていた。
昔、雑誌で色々ジャズの論評が盛んであった頃、「東海岸の白人ジャズ」というジャンル分けがされていた記憶がある。ペッパーアダムスもその一人かもしれないが、このアルコーンやブルックマイヤーもその代表格だろう。
2人ともアレンジを得意としていたので、クインテットの演奏ではあるがアンサンブルワークはきちんとアレンジが施されているが、2人の軽妙なプレーが実に心地よい。
スイングとモダンの間を「中間派」とも言っていたが、彼らの演奏は、さらにイーストの脂っこさとウェストの淡白さのいいところ取りをした「新中間派」ともいえるものだ。
自分の好みを消去法で消していくと、コンコルドの一連のアルバムもそうだが、この辺りの演奏に集約されるのかもしれない。
ピアノのモーズアリソンはニューヨークに出てきてすぐの演奏、その後アル&ズートにも参加するがこれが初レコーディングかも。ドラムのニックスタビュラスもその後フィルウッズのアルバムに登場するが小気味よい感じの良いドラムだ。
ウェストに対してイーストコーストジャズと一括りに語られることが多いが、「東海岸の白人ジャズ」にもいいアルバムが多い。
1. The Lady Is a Tramp Lorenz Hart / Richard Rodgers
2. Good Spirits Bob Brookmeyer
3. A Blues Serenade Vincent Grande / Jimmy Lytell / Frank Signorelli
4. Lazy Man Stomp Bob Brookmeyer
5. Ill Wind Harold Arlen / Ted Koehler
6. Chlo-E Neil Moret (Chas. N. Daniels) / Gus Kahn
7. S-H-I-N-E Lew Brown / Ford Dabney / Cecil Mack
8. Back to Back Al Cohn
9. So Far So Good Al Cohn
10. Winter Al Cohn
11. I Should Care Sammy Cahn / Axel Stordahl / Paul Weston
12. Bunny Hunch Bob Brookmeyer
Al Cohn (ts)
Bob Brookmeyer (vtb)
Mose Allison (p)
Teddy Kotick (b)
Nick Stabulas (ds)
Recorded in 1956
ペッパーアダムスがニューヨークを離れスタンケントンオーケストラに加わり、引き続きロスで活動をしていた’56年~’57年にかけて、ジャズ界は活況を呈していた。ハードバップが台頭し、ウェストコーストジャズも興隆を極めていたが、モダンビッグバンドが誕生し、古いジャズも復活していた時代だ。
ジャズが一番元気だった時代だが、日本では「3丁目の夕日」の頃、戦後の復興、そして技術革新によって世の中全体が高度成長の波に乗り始めた頃で、今と違って「勢い」があった時代だ。
この時代のジャズ、大きく分ければ黒人中心のイーストコーストジャズ、そして白人中心のウェストコーストジャズに大別されるが、中身を紐解くとそう簡単には割り切れない演奏もたくさんある。
アルコーンというテナー奏者がいる。白人ではあるがずっとイーストコースとで活躍をしていた。アレンジャーとしての活動だけでなく再びテナー奏者としての活動に重きを置いていた’56年、コルトレーンとのセッションにも参加していたし、メイナードファーガソンのドリームバンドにも参加していた。クールなトーンではあるがいわゆるウェストコーストジャズとは一味違った熱っぽい演奏をしている。
そのアルコーンがボブブルックマイヤーと組んだアルバムがある。ブルックマイヤーといえば、スタンゲッツやジェリーマリガンとのコンビが有名。誰と組んでも相手との絡み方が実に絶妙。バルブトロンボーンという楽器のせいもあるが。このブルックマイヤーの演奏もいわゆるウェストコーストジャズとは少し軸足を異にしていた。
昔、雑誌で色々ジャズの論評が盛んであった頃、「東海岸の白人ジャズ」というジャンル分けがされていた記憶がある。ペッパーアダムスもその一人かもしれないが、このアルコーンやブルックマイヤーもその代表格だろう。
2人ともアレンジを得意としていたので、クインテットの演奏ではあるがアンサンブルワークはきちんとアレンジが施されているが、2人の軽妙なプレーが実に心地よい。
スイングとモダンの間を「中間派」とも言っていたが、彼らの演奏は、さらにイーストの脂っこさとウェストの淡白さのいいところ取りをした「新中間派」ともいえるものだ。
自分の好みを消去法で消していくと、コンコルドの一連のアルバムもそうだが、この辺りの演奏に集約されるのかもしれない。
ピアノのモーズアリソンはニューヨークに出てきてすぐの演奏、その後アル&ズートにも参加するがこれが初レコーディングかも。ドラムのニックスタビュラスもその後フィルウッズのアルバムに登場するが小気味よい感じの良いドラムだ。
ウェストに対してイーストコーストジャズと一括りに語られることが多いが、「東海岸の白人ジャズ」にもいいアルバムが多い。
1. The Lady Is a Tramp Lorenz Hart / Richard Rodgers
2. Good Spirits Bob Brookmeyer
3. A Blues Serenade Vincent Grande / Jimmy Lytell / Frank Signorelli
4. Lazy Man Stomp Bob Brookmeyer
5. Ill Wind Harold Arlen / Ted Koehler
6. Chlo-E Neil Moret (Chas. N. Daniels) / Gus Kahn
7. S-H-I-N-E Lew Brown / Ford Dabney / Cecil Mack
8. Back to Back Al Cohn
9. So Far So Good Al Cohn
10. Winter Al Cohn
11. I Should Care Sammy Cahn / Axel Stordahl / Paul Weston
12. Bunny Hunch Bob Brookmeyer
Al Cohn (ts)
Bob Brookmeyer (vtb)
Mose Allison (p)
Teddy Kotick (b)
Nick Stabulas (ds)
Recorded in 1956
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