A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

エリントンによるビッグバンド名曲集・・・

2012-06-20 | MY FAVORITE ALBUM
Ellington ’55 / Duke Ellington Orchestra

作曲家デュークエリントンの作品は数多い。その中の多くはスタンダードとなり他の多くのミュージシャンによって演奏し続けられている。自らのオーケストラでもそれらの作品は十八番として常にレパートリーに加えられているが、オーケストラ向けの作品としては「組曲シリーズ」がある。先日マイクプライスオーケストラが、このエリントンの組曲の作品を取り上げたライブを行った。聞き応えのある演奏で改めてエリントンの作品の偉大さを実感した。しかし、これらの一連の組曲のアルバムはけっして一般受けするものではなく、レコード会社としても営業面で売上げを重視するのであれば積極的に取り組みにくいものであったろう。

50年代の始め、エリントンは一時メジャーレーベルであるキャピタルに所属していた。ジャズの専門レーベルでもないので当然一般受けするアルバム作りが求められたのであろう。エリントン’55とタイトルされたこのアルバムは、エリントン自身のナンバーを含む、他のビッグバンドのタイトル曲ともいえるビッグバンドの名曲を選んだ作品となった。このようなビッグバンド名曲集というアルバムはよくある企画だが、エリントンも営業重視でそのような企画を付き合わされたともいえる。それぞれの曲はお馴染みではあるが、演奏時間も短く大作といえるものではないが・・・。でもエリントンがライバルベイシーのワンオクロックをやるというのも粋なものだ。
同じような企画は10年後にリプリーズに所属していた時にも、’66とか「WILL BIG BANDS EVER COME BACK?」という企画があったが。

とうはいうもののエリントン&ストレイホーンが名曲を料理しているので、オリジナルのイメージを大切にするのではなく、どの曲もエリントンサウンドの味付けがされている。そして、アレンジに映えるソロやアンサンブルは、素材が何であれエリントニアン達の本領発揮といったところだ。ホッジスはいないが、ラッセルプロコープやクラークテリーが素晴らしい。

CD化された時に追加された曲だとは思うが、最後のエリントンナンバーである、「スイングが無ければ・・・」は圧巻だ。ゴンザルベスのソロは、後のニューポートでの名演のウォーミングアップのようだし、レイナンスのボーカルもご機嫌だ。

タイトルは「‘55」と銘打っているが、実際の演奏は’53年の暮れから’54年にかけてのもの。モダンビッグバンドが生まれようとしているとき、老舗のエリントンオーケストラも’56のニューポートに向けて試行錯誤をしていたのかもしれない。

1. Rockin' in Rhythm Harry Carney / Duke Ellington / Irving Mills 4:30
2. Black and Tan Fantasy Duke Ellington / Bubber Miley 5:10
3. Stompin' at the Savoy Benny Goodman / Andy Razaf / Edgar Sampson / Chick Webb 5:04
4. In the Mood Joe Garland / Andy Razaf 5:59
5. One O'Clock Jump Count Basie / Eddie Durham 5:12
6. Honeysuckle Rose Andy Razaf / Fats Waller 4:17
7. Happy Go Lucky Local Duke Ellington / Mercer Ellington / Billy Strayhorn 5:33
8. Flying Home Benny Goodman / Lionel Hampton / Sydney Robin 6:08
9. Body and Soul Frank Eyton / Johnny Green / Edward Heyman / Robert Sour 4:47
10. It Don't Mean a Thing (If It Ain't Got That Swing) Duke Ellington / Irving Mills       10:17

Cat Anderson (tp)
Willie Cook (tp)
Ray Nance (tp,violin, vocals)
Clark Terry (tp)
Britt Woodman (tb)
Alfred Cobbs (tb)
John Sanders (tb)
Quentin Jackson (tb)
Paul Gonsalves (ts)
Jimmy Hamilton (ts,cl)
Rick Henderson (as)
Russell Procope (as,cl)
Harry Carney (bs,bcl)
Billy Strayhorn (Celeste)
Duke Ellington (p)
Wendell Marshall (b)
Jimmy Woode (b)
David Black (ds)

Dave Dexter, Jr. Producer

1~8
Recorded in Chicago , December 21,28,29 1953 & January 1,2,17 1954
9
     in Chicago May 18, 1955
10
     In NYC June 17, 1954
コメント
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