A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

昔から3人集まれば文殊の知恵というが、4人集まれば・・・?

2012-05-16 | MY FAVORITE ALBUM
Tenor Conclave / Four Tenor Saxes

ジャズの世界でも3人集まれば一人ではできない色々なアイディアが生まれて来る。では4人集まれば?特に同じ楽器で4人集まれば、4人の個性あるソロが楽しめるし、4人のアンサンブルも見ものだ。自分は、特にサックスアンサンブルが好きなので。

プレスティッジがオールスターメンバーを集めて次から次へとアルバムを量産した中に、同じ楽器を4人集めたアルバムが何枚かある。タイトルもその名のとおり”Four Altos”というものもあった”Very Saxy”というアルバムは、4人という看板は掲げていないものの、中身はテナー4本で実にタイトルのコンセプトに合った演奏を繰り広げていた。その応用編のアルト2×トランペット2というアルバムもあったし・・・・、さてこのアルバムは?

このアルバムのクレジットを見るとテナーの巨匠が4人。この4人の名前を見ただけでも興味が沸く。果たして4人がどんな演奏を繰り広げるのか。それも4人揃ってでないとできないことを何か・・・。さらに、タイトルが“Conclave”(秘密会議)となっているのが意味深長だ。

聴いた結果はというと、期待が大きい分満足度は半分だ。
このアルバムが録音されたのは56年の9月。ちょうどペッパーアダムスがケントンオーケストラに加わってツアーの真最中。そのアダムスが留守にした間のニューヨークでの録音だ。
参加しているメンバーはVery Saxyのメンバーと較べると若手ではあるが、決して新人ではない。コルトレーンはマイルスのグループでめきめき頭角を現してきていたし、モブレーは新人養成所のジャズメッセンジャーズの一員、アルコーンはアレンジャーの仕事に一区切りつけて復帰したばかり、そしてズートシムスもフリーとフルバンドへの参加を繰り返してソリストとしては一人前になっていた。中堅の有望株ばかりなのに何故?

自分の4人のそれぞれのイメージは、それから10年近く経った60年代になってからのもの。それぞれが自分のスタイルを確立していたし、テナーの音色一つとっても10年で違うものになっていた。ところが、このアルバムではさっと聞き流すだけだと誰のソロか良くわからない。強いて言えばコルトレーンが特徴がある位。
このプレスティッジのリーダー無しのスタジオジャムセッションだと、アレンジやアンサンブルもほとんど無く、いきなりソロの連続になってしまうのも一因。

結局発展途上の若者が集まって、とりあえずエールの交換をしたのにとどまっている。一人一人も自分のネクストステージに向けて自己改革の真っ最中。グループで何かという余裕は無かったのかもしれない。結果的には、ズートシムスとアルコーンがAl & Zootのコンビを続けたので、彼らにとってはそのステップとしてのトライアルの場になったのかもしれない。

やはり4人集まった時は中に誰か強力なリーダーがいるか、コンセプトメーカーがいないと、単なるジャムセッションに終わってしまうのは仕方がない事なのか。
反対にVery Saxyの良さを再認識した次第。



1. Tenor Conclave          Mobley 11:05
2. Just You, Just Me         Greer, Klages 9:29
3. Bob's Boys             Mobley 8:21
4. How Deep Is the Ocean?       Berlin 15:04

John Coltrane (ts)
Hank Mobley (ts)
Zoot Sims (ts)
Al Cohn (ts)
Red Garland (p)
Paul Chambers (b)
Art Taylor (ds)

Rudy Van Gelder : Engineer
Supervision : Bob Weinstock

Recorded on September 7, 1956 at Van Gelder Studio

Tenor Conclave
Ojc

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