A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ジャズの世界でもハイブリット種が強い時代に・・・・?

2012-06-24 | CONCORD
Taurus / Tania Maria


先日、プロでピアノの弾き語りをやっている知人と話をする機会があった。
「最近はライブには良く出ているのですか?」と聴くと、否。なかなか機会が無くて・・・と。
でも、ジャズのライブをやっている所ってけっこうありますよね・・と聞き返すと、
いや、どこもお客が入っていないので厳しそうですよ・・と。
特に若者がめっきり。
我々世代は結構ジャズを聴いていた人間が多いので、現役を引退して時間ができてジャズを聴きに出かけようと思えば行けるんですけどね・・・
とか、とりとめの無い話をしばらくした。
結論は、ジャズはどうも人気が無いようだ。
彼のピアノとボーカルは良くスイングする正統派。昔はホテルのラウンジにも出ていたようだが、最近はさっぱり演奏する場が無いとのこと。困った物だ。

動物でも植物でも純血種というのは生命力が弱い。一方で雑種というものは世の中の環境変化に適宜対応していくのか、生命力は純血種よりますます勝っていく。弱肉強食、強いものだけが生き残っていくという生物の宿命かもしれない。
ジャズの世界もフュージョン系は多少元気でも、正統派のスイング系はいつのまにか絶滅保護種になっているのかもしれない。

前作“Piquant”でConcordデビューを果たしたタニアマリア。このアルバムはConcordで続いて制作された2作目だ。
モダンスイングの正統派を軸に据えたコンコルドが、ラテンとの混血種のために用意したのがピカンテレーベル。タニアマリアはそのレーベルと共にデビューした新人だった。
60年代に流行ったボサノバはソフトサウンドが多かったが、このタニアマリアの演奏と歌は強烈だ。ジャズ自体が70年代にフュージョンがブレークしたのに合わせて、ブラジル音楽もこのフュージョンと更なるハイブリット種を生んだ。タニアマリアの歌と演奏もその一つだろう。

このタニアも始めはなかなかアメリカでは受け入れられず、最初の活躍の場はフランスだったそうだ。ディーディーブリッジウォーターと同じ境遇だ。当時はどうもアクションの大きい女性歌手はジャズボーカルではタブーだったのか・・・?

この2作目で一段とタニアマリアスタイルが定着してきている。彼女のオリジナル曲に加えて、クライミーアリバーやジョンレノンのイマジンを歌う。素材を問わず自分のスタイルをアピールできるのは一流の条件だ。

アメリカでもジャズはマイナーな音楽になっているかもしれないが、ディディーもマリアも今でも健在。やはりハイブリット種は環境の変化に耐えて生き残っているようだ。
植物の世界では種子を作らない一代限りの種が流行らしい。ジャズの世界では間違っても後継者を生まない一代限りのハイブリット歌手などは作らないで欲しいものだ。彼女達の後継者がたくさん育ってくれれば。

1. Tranquility Tania Maria 7:43
2. Imagine John Lennon 5:20
3. Bandeira Do Lero Tania Maria 2:20
4. Two A.M. Tania Maria 7:44
5. Que Vengan los Toros Tania Maria 6:54
6. Cry Me a River Arthur Hamilton 7:21
7. Eruption Tania Maria 6:52

Tania Maria (p,vol)
Eddie Duran (g)
Rob Fisher (b)
Vince Lateano (ds)
Willie T. Colon (Per)
Kent Middleton (per)

Carl Jefferson Producer
Phil Edwards Engineer

Recorded on August,1981

Originally Released on Concord CJP-175(所有盤はユピテルの国内盤)
Taurus
クリエーター情報なし
Concord Records

コメント
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