A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

生涯付き合える友人は誰にでもいるものだが、・・アダムスの無二の親友は?

2012-04-10 | PEPPER ADAMS
Pepper Adams Live at The Douglas

2004年12月19日サンフランシスコの地元紙に、あるジャズミュージシャンの死亡記事が載っていた。John Marabutoというピアニスト、中央では無名といってもいいかもしれないが、地元ではそれなりに活躍していたミュージシャンだった。
この“Marabuto”、実はメルルイスのファーストアルバム"Got' Cha"で、調律のしていないピアノを弾いたピアニストだ。一緒にセッションに参加したペッパーアダムスも彼との出会いはこれが最初ではなかっただろうか?記事の中にも、シスコを訪れるミュージシャンとは良く一緒にプレーをしたとあり、その中にペッパーアダムスの名前がある。

ペッパーアダムスが、サドメルのオーケストラを辞めたのは1977年8月24日。ヨーロッパを巡業中だったアダムスは、10年以上在籍したサドメルのオーケストラを離れ、ソリストとして活動することを決め、ニューヨークに戻った。
ソリストとしての最初の仕事場所はニューヨークではなくサンフランシスコ。そこでアダムスを待ち受けていたのは、このJohn & Ron Marabuto兄弟であった。彼らにベースのボブメイズを加えたカルテットで9月中はシスコの周辺で演奏を繰り広げた。

彼らの最初の仕事は、シスコから車で30分ほど離れたHalf Moon BayのDouglas Beach Houseという音楽を愛する人が集った非営利団体の会場。ハワードラムゼイのライトハウス、コンサードバイザシーといったカリフォルニアのライブハウスの伝統を引き継ぎつつも、ジャンルはトラディショナル、スイングからハードバップやフュージョンまでジャンルを問わず演奏の機会を設けていた。
このコンサートに、アダムスは地元の名士であるMarabutoと供に出演した。聴衆は当然ジャズを愛するファンばかり。会場はアダムスを迎えて暖かい雰囲気が当然のように漂っていた。

最初の曲は、パーカーのDewey Squareから始まる。ソリストとして再出発したアダムスの迫力あるプレーでいきなり始まる。続いて、Body and Soulは一転してバラードプレー。アダムスのバリトンはバラードでも力強い。Bossa Nouveauでは、ボサノバのリスムに乗ってブローするが、若い頃と較べてより荒々しくなった感じもする。

サドメルを離れて、ソリストとしてのデビューを飾る場としては都会の華やかな場所もいいが、このような田舎の暖かいファンに囲まれての演奏はより寛げたであろう。そのような場を提供したのは、アダムスにとって生涯付き合った無二の友人Marabutoであった。
この演奏をした時アダムスはすでに47歳。百戦錬磨のベテランの少し遅すぎた独立であった。アダムスが病床に伏すのはそれから10年も経たない1986年。すでにプレーが出来なくなってベットに伏すアダムスを見舞ったのもこのMarabuto兄弟であった。

1. Dewey Square
2. Body & Soul
3. Bossa Nouveau
4. How Long Has This Been Going On
5. Blue Out

Pepper Adams (bs)
John Marabuto (p)
Bob Maize (b)
Ron Marabuto (ds)

Recoeded live at The Douglas Beach House, Half Moon Bay, CA. on September 18,1977

Produced by Pat Britt
Concert Manager : Pete Douglas
Engineer : Bob Meuse

Live in Douglas
Pepper Adams
Thats Jazz
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