A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

せっかくの素晴らしい「エリントン特集」のコンサートが、ファンに知られることもなく・・・・

2012-04-07 | MY FAVORITE ALBUM
Masterpieces by Ellington / Duke Ellington Orchestra

先日、マイク・プライスのオーケストラのライブがあった。いつものライブでもエリントンの曲が何曲かはプログラムに入ることがあるが、今回はエリントン特集、それも「ハーレム組曲」をやるという。さらにアメリカワシントンDCにあるスミソニアン協会によって催される広く世に知れた「スミソニアンジャズ感謝・鑑賞月間イベント」の協賛コンサートということで期待して出かけてみた。
結果は予想以上の素晴らしい演奏。さすがマイクプライスだ、メンバーを含めて気合の入った演奏を楽しめた。普段のエリントン関連のコンサートでは、お馴染みのナンバーを並べてエリントンの雰囲気を楽しむだけのものが多い中で、エリントンの組曲をじっくり聴かせてくれるコンサートはあまりない。あのエリントンサウンドを生で聴けるとは思わなかった。プライスを始めとしたメンバーの面々に感謝したい。



ところが、せっかくのコンサートでありながら駆けつけた聴衆は僅か数組。
ビッグバンドのファンは確かに多くはないが、いつものライブでももう少し多い。毎年行われるビッグバンドジャズフェスティバルはいつも満員の聴衆が大ホールを一杯にする。その中にはエリントンファンの多いはずだ。自分はけっしてエリントンの熱狂的なファンではないが、エリントンのめったに生では聴けない曲を聴けるというので馳せ参じたのであったが。

アメリカでは文化遺産としてのジャズを伝承する試みを多く行っている。それと比較するとこのような日本の状況にはお寒いものを感じる。ひょっとして日本のジャズファンとは自分を省みても、特定のミュージシャン、それも彼らの過去の遺産であるレコードに関しては血眼になって追い求めるものの、曲(アレンジ)や演奏そのものは二の次なのではないかと。辰己哲也さんが言っているように、「ジャズの名アレンジを一時のものとして葬り去ってしまうのはもったいない」というのが良くわかる。

また、せっかく企画されたイベントやコンサートがファンに知られることなく、集客に苦労しているのも困ったものだ。
インターネットが普及して以前に較べて情報の拡散・収集が楽になったとはいえ、このようなニッチな情報を広め、反対に捜し求める人を結び付けるのは確かに難しいとは思う。潜在的なファンは多いはずなので、もっとこのようなライブ情報が広く知れ渡るといいと思うし、それを知ったファンはこのような機会には是非で出かけてみるといい。家にこもってレコードやCDを聴いているのもいいが、生の演奏に接するとレコードを聴く時も一段と世界が広がる。せっかくのミュージシャン達のこの様な試みを是非絶やさないためにも、一ファンとしては今後も出来る限りライブ会場に出かけてみることにしようと思う。

デュークエリントンとビリーストレイホーンのコンビによる組曲はLP時代の前から多く作られた。LPレコードが出る前はコンサート用の長い演奏をレコードに収める事ができなかったが、LPの時代になってコンサート用のフルバージョンのレコーディングも行われるようになって、エリントンの曲の全貌がレコードでも楽しめるようになった。その中でも、組曲シリーズはこのような形でライブ演奏と合わせてじっくり聴き直してみたいものだ。

というような事を考えながら、当日演奏された、The tattooed Brideや、Diminuendo And Crescendo In Blueを聴き返しながら・・・。



1. Mood Indigo          Bigard, Ellington, Mills 15:28
2. Sophisticated Lady       Ellington, Mills, Parish 11:30
3. The Tattooed Bride       Ellington 11:44
4. Solitude            DeLange, Ellington, Mills 8:23

Duke Ellington & His Orchestra
Cat Anderson (tp)
Harold "shorty" Baker (tp)
Nelson Williams (tp)
Andrew Merenghito "Fats" Ford (tp)
Ray Nance (tp)
Lawrence Brown (tb)
Quentin Jackson (tb)
Tyree Glenn (tb)
Mercer Ellington (French Horn)
Johnny Hodges (as)
Jimmy Hamilton (ts,cl)
Russell Procope (as,cl)
Paul Gonsalves (ts)
Harry Carney (bs)
Duke Ellington (p)
Billy Strayhorn (p)
Wendell Marshall (b)
Sonny Greer (ds)
Yvonne Lanauze (vol)

Recorded at Columbia's 30th Street Studio on December 19,1950

Masterpieces By Ellington
Duke ellington
Sony Jazz
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