A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

Quincyにとっても、自分にとってもJAZZの世界がこの一枚で広がった・・・・

2007-07-07 | MY FAVORITE ALBUM
WALKING IN SPACE / Quincy Jones


自分自身のQUINCYとの出会いは、多分「The birth of a band」であったと思う。
だが、一番聴いたのは実はこのアルバムだ。
JAZZ喫茶でかかるアルバムがどんどん多様化していった時、このアルバム全体のリズム感とテンポが実に心地よく感じられた。ベースやギターの響きが単なるRockや8ビートいうのではない。実に特徴があり一度聴くと忘れられないものであった。
もちろん、JAZZ喫茶で聴くだけではなく、自分でも買い求め何度も聴いたものだ。

BIG BANDのサウンドだけでなく、FUSIONの世界にも違和感なく溶け込めたのは、この一枚のお陰だろう。

クインシーのJAZZがMercuryのアルバムでポピュラー路線に変わっていったのは60年代の中頃であった。このアルバムが作られたのが1969年の6月であるが、実は、この前の数年はJAZZのアルバム作りはしていない。JAZZをやるというよりは、もっぱら映画やテレビの作編曲に明け暮れていた。
そのような仕事にドップリ浸かっている最中に父を亡くしたQuincyは、もう一度レコード会社に戻り、スタジオで気心の知れた仲間とセッションをやりたいと思っていたそうだ。
その時にタイミング良く、A&Mレコードのプロデューサーをしていたクリードテイラーと契約を行って、アルバム作りに復帰。
そして制作されたのが、この「WALKING in Space」である。

ライナーノーツを読むと、優れたバンドリーダーは、自分のテンポとリズムを持っているものだと書かれている。
例えば、HeftyのLIL’ DARLINは、カウントベイシーのテンポとリズムにのるとあのような音になると。そして、Quincyのテンポとリズムにも独特なものがあるのだと。
それがバンドカラーなのだろう。譜面どおりに正確に機械的に演奏しても、バンドのノリは出ないであろう。Thad&Melにしても、このQuincyにしても、リーダーの引き出すこの独自のサウンドを、実は自分も気に入っているのだと思う。


その意味で、このアルバムで重要な役割を果たしたのは、Ray Brownのベースではないだろうか。ピーターソンのトリオを離れてスタジオ入りをしていた時期なので、毎日、様々なスタイルの演奏をしていた頃だと思う。
このアルバムではエレキベースがメインだが、Ray Brownのベースが、このアルバムのテンポとリズムを常にリードしていている。これが、このアルバムの全体のトーンを決めているのがよく分かる。Quincyの意を汲んで、音作りの主役を果たしたのだろう。

1. Dead End      
2. Walking In Space 
3. Killer Joe      
4. Love And Peace
5. I Never Told You
6. Oh Happy Day

3.
Quincy Jones(cond,arr)
Joel Kaye,Roland Kirk,Jerome Richardson(sax,reeds,fl)
Hubert Laws(fl,ts)
Freddie Hubbard,Marvine Stamm,Lloyd Michels,Dick Wiliams(tp)
Jimmy Cleveland,Tony Studd,J.J.Johonson,Alan Raph(tb)
Eric Gale(g)
Paul Griffin(p)
Ray Brown(b)
Grady Tate(ds)
Valerie Simpson,Maretha Steward,Marilyn Jackson,Hilda Harris(vo)

Recorded June 18.1969
         
1.2.& 4.5.6.
Quincy Jones (cond,arr except 5.)
Joel Kaye,Roland Kirk,Jerome Richardson(sax,reeds,fl)
Hubert Laws(fl,ts)
Freddie Hubbard,Marvine Stamm,John Frosk(tp)
Lloyd Michels(tp on 4.6.)
Snooky young(tp except 4.6.)
Jimmy Cleveland,Tony Studd(tb)
J.J.Johonson,Alan Raph,Norman Pride(tb on 4.6.)
George Jeffers,Kai Winding(tb except 4.6.)
Toots Thielmans(g,hca on except 4.6.)
Eric Gale(g)
Bob James(el-p,arr on 5.)
Grady Tate(ds except 4.6.)
Bernard Purdie(ds on 4.6.)
Ray Brown(b)
Chuck Rainey(b on 4.6.)
Valerie Simpson,Maretha Steward,Marilyn Jackson,Hilda Harris(vo)

Recorded June 19.1969
コメント
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