A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

Quincyがトランペットを置いて、アレンジとピアノでファーマーに・・・・・。

2007-07-05 | MY FAVORITE ALBUM
The Art Farmer Septet Plays The Arrangements and Composition of Gigi Gryce & Quincy Jones

QUINYJONESの初吹き込みは何時だろう。
彼の完璧なディスコグラフィーを知らないので分からないが、多分ライオネルハンプトンのオーケストラに加わっていた頃の演奏だろう。
もっとも彼の場合は、単なる演奏だけではなく、アレンジ、プロデュース、はたまた監修や映画音楽の類まであるので、関係したアルバムのすべての記録などは作れないのかもしれないが。

このアルバムは、ハンプトンのバンド仲間であったArt Farmerの’53年の録音にQuincyが付き合っているもの。それもいつものトランペットではなく、ピアノとアレンジで。
この録音のすぐ後の、ハンプトンオーケストラがヨーロッパに渡った時の現地での演奏はしっかり残っている。
いずれにしても、Quincyの一番初期の演奏であることは間違いなかろう。

1933年生まれなので、ちょうど20歳の時だ。
すでに、ベイシーやダイナワシントンにアレンジを提供している。
この経歴を見ただけでも、早熟の天才なのだろう。
このアルバムも、Quincyはプレーをしているというよりは、アレンジを提供しているという役割が大きい。

いきなり一曲目のMau Mauが実に不思議なイントロで始まる。
拍子木のような打楽器でリズムが刻まれ、ラテンというかアフロキューバンというか、まさにフュージョンの先駆けのようなサウンドだ。ファーマーのトランペットも途中でリズムに乗って力強さを増す。よく見るとベースはモンクモンゴメリー。この時代でエレキベースを使っているのも何か因縁めいたものを感じる。
この時から、Quincyは一歩時代を先読みした曲作りとアレンジをしていたのかもしれない。

続くWork of Artは、滑らかなアンサンブルはいつものQuincyサウンド。
The little Bandmasterは、ミュートの掛かったトランペットとサックスのユニゾン、これもクインシーの得意技。ジミークリーブランドのトロンボーンのソロへと続く。その後、クリーブランドとも長い付き合いになる。
Up in Quincy’s Roomは、オリエンタルムードのイントロの曲。
これは、Gigi Gryceの作編曲。Quincyはピアノのバックに徹している。

いずれにしても、Quincyのデビュー作に近い録音であるが、新人の録音というよりは、すでに全体の音作りを仕切る大プロデューサーの影を節々に感じる。

1. Mau Mau
2. Work Of Art
3. The Little Bandmaster
4. Up In Quincy's Room

 Art Farmer (tp)
 Jimmy Cleveland (tb)
 Oscar Estell (as, bars)
 Clifford Solomon (ts)
 Quincy Jones (p, arr)
 Monk Montgomery(b)
 Sonny Johnson (d)

 Recorded in NYC, July 2, 1953

5. Evening In Paris
6. Wildwood
7. Elephant Walk
8. Tia Juana

 Art Farmer (tp)
 Jimmy Cleveland (tb)
 Charlie Rouse (ts)
 Danny Bank (bars)
 Horace Silver (p)
 Percy Heath (b)
 Kenny Clarke (d)

 Recorded at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, June 7, 1954
コメント
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