A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

1973年は古きよき時代のJAZZの復活の年?

2007-03-22 | CONCORD
SEVEN ,COME ELEVEN / Herb Ellis & Joe Pass

サンタモニカのCIVIC AUDITRIUMで新生JATPが再開された翌年にパブロレーベルがスタートする。そして、西海岸で同じ時期に立ち上がったのがCONCORDレーベルだ。
以前、そのレーベルのファーストアルバムを紹介したことがあるが、両レーベルのスタートの時期が同じだったのを改めて再認識。
今では、Concordがメジャーになり、Pabloもその傘下に入ってしまっているが。
今思えば、まさにこの年が伝統的なJAZZが復活した年かもしれない。暇でもできたらその頃のスイングジャーナルでも読み返してみよう。

CONCORDレーベルは思い入れがあって旧作を何枚も持っているので、折を見てこれらを順次聴き返してみることにする。

早速、Concordの2作目だが、1枚目と同様、Herb Ellis とJoe Passのギターduo。73年のConcord Jazz Festivalでのライブ演奏だ。
Concord Jazz Festivalは1969年、サンフランシスコ郊外のコンコルド市の車のディーラーだったCarl E Jeferson氏が市の活性化としてスタートしたコンサート。Concordレコード創設のきっかけにもなった、ジャズフェスティバルである。
1975年には、フェスティバルの会場となるパビリオンも完成し、一躍有名なJAZZ FESTIVALの仲間入りをした。その後、富士通がスポンサーにもなっている。日本の企業も捨てたものではない。

このレーベルは、初期にはギターの演奏が多かったのも特徴かもしれない。以前紹介した、ローリンドアルメイダもそうだし、若手、ベテランを交えて結構の枚数がある。

管が入らないギターのトリオやカルテット編成は、何となくカクテルラウンジなどで軽く演奏しているのが似合うものだ。ロックやフュージョン系ならまだしも、大きなフェスディバルでジャズギター中心の小編成が大聴衆を相手に果たして盛り上げられるのか、心配にはなるが。
このアルバムを聴くと、それはまったく杞憂。2人の掛け合いはもちろん、ベースのレイブラウンとドラムスのジェイクハナを交えたコンビネーションも言うことはなし。2人の力のこもった白熱のプレーが会場を沸かせている。

ギターはソロもできるし、リズムも刻める、シングルトーンもコードワークも自由自在。時によっては、ボディー部を叩けば打楽器にも早変わり。
一見、派手さはないが管楽器に較べると様々な表現が可能である。さらに、プレーヤーによって、音色やタッチも微妙に違って、奏法を含めて個性が色々出せる奥深い楽器である。

この多彩な顔を持つギターのDUOになると、更にお互い技の掛け合いの品評会になる。メインにソロをとっている時はもちろん、バックに回っている時も、常にお互いが自分の役割と技で真剣勝負が続く。管楽器のようにソロに入ってしまうと、他のプレーヤーが小休止になるのとは大違い。JAZZギターのDuoの醍醐味が味わえる。

73年は、まだ大きな会場ではなかったと思われるが、会場の熱気もつぶさに伝わってくる。
Concordレーベルの特徴を代表する名作だと思う。

エリントンのIN A MELLOW TONEで小手調べをし、グッドマンのSEVEN COME ELEVENをアップテンポにこなし、スタンダード曲を次から次へと料理して、最後にエリスのオリジナルの、地元の名前をつけたConcord Bluesで締めるまで一気に聞き入ってしまう。

(A-1)In A Mellow Tone
(A-2)Seven Come Eleven 
(A-3)Prelude To A Kiss 
(A-4)Perdido
(B-1)I'm Confessin'
(B-2)Easy Living
(B-3)Concord Blues

Herb Ellis(g),
Joe Pass(g)
Ray Brown(b)
Jake Hanna(ds).

Rec. Jul, 29, 1973, live at  <Concord Jazz Festival>
コメント
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