A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

1966年、‘ドラムの名手「Buddy Rich」も念願の自分のBIG BANDを立ち上げ!

2007-03-29 | MY FAVORITE ALBUM
SWINGIN’ NEW BUDDY RICH BIG BAND

1966年.この年に生まれたBIG BANDで忘れてはいけないのが、BUDDY RICH BIG BAND。
リッチを知ったのは、JAZZを聴き始めて間もない頃。
JAZZのドラムソロのかっこよさを知って、買ったレコードがマックスローチとのドラムバトル。
右も左も分からない中、演奏はともかくとして、この中のSING,SING.SINGのドラムにいたく感心したのを覚えている。ベンチャーズが流行っていた時。
その後、何かのテレビでプレーぶりを見て感心したが、バディーリッチは「ドラムソロ」の達人としての印象しかなかった。

サドメルを聴いてBIGBAND素晴らしさを再認識した時、前後して出たのがこのアルバム。ライブ録音なので、JAZZ喫茶で、大音量で聴くと臨場感が一段と増す。ホレスシルバーでお馴染みのシスターセディーのワクワクするような演奏を聴きたくて、よくリクエストしたものだ。

リッチは、この年の4月HARRY JAMESのメンバーとして高給をとっていた仕事を辞めて自分のバンドを編成することになった。
BIG BANDが必ずしも主役ではなくなった時代、レギュラーバンドを維持するのは大変。「ダンスバンドとしての仕事をやらずに、聴かせるだけのライブで果たして客を集められるか」、「どうせすぐに行き詰るのでは」という大方の心配をよそに、HOLLYWOODの“CLUB CHEZ”でのライブは連日大入り。2週間の契約が4週間に延びた盛況だったそうだ。
長年言われ続けた、「ビッグバンドは帰ってくるか?」との問いに、「BUDDY EICHがBIG BANDで帰ってきた」という事実で立証し、RICHは無事に離陸していった。
これが一時のことではなかったことは、その後の活躍が証明している。

50年代のJATPでの活躍のように、リッチのコンボでの演奏ももちろんいいが。やはり、リッチのドラムはBIG BANDで本領を発揮する。
波を打つようなスイング感、歯切れのよいスナップ、強弱のメリハリのついたダイナミズム、スローな曲での抜群のテンポ、超人的なスピードでのドライブ、そしてソロでのショーケース、どれをとっても彼しか持ち合わせていないBIG BANDドラムミングの技だ。

リッチは1917年生まれ。このアルバムが録音された時は50歳に手が届こうかという年齢。そこから20年間レギュラーBANDを率いたことになる。リッチのオーケストラは映像も多く出回っているが、演奏の姿はいつも元気そのもの。
人生この歳になってから新たなものを立ち上げられ、体力的にも、内容的にも思う存分できるのは羨ましい限りだ。

若手中心にベテランも交えて集められたメンバーに対して、リッチが先頭を切って「さあ行くぞ」という雰囲気を最初のカウントから感じさせる。
演奏は荒っぽいところもあるが、バンド全体の元気さがそれを上回る。難しいJAZZが流行り始めている時、こんなJAZZもまだ元気にやっているよという声が聞こえるようだ。
ベイシーライクな演奏から8ビートまで。リッチの8ビートがまたいい。
そして、このアルバムのハイライトのWEST SIDE STORY MEDREYに至るまで曲やアレンジも色々集められた。
ファーストアルバムとしては、ライブ演奏であることを含めて、立ち上げ時の気合の入れ方が十二分に伝わってくる。

1. Readymix
2. Basically Blues
3. Critic's Choice
4. My Man's Gone Now
5. Up Tight (Everything's Alright)
6. Sister Sadie
7. More Soul
8. West Side Story Medley:
  a)Overtune b)Cool c)Something's Coming d)Somewhere

メンバーを見ると、知った顔としては、HERMANのバンドにいたBobby Shew、その後秋吉敏子のオーケストラにも参加していた。アルトのGene Quill、マリガンとやっていたベースのCarson Smithなど。彼ら中堅を軸に無名の若手が多く参加している。
そういえば、村上という日本人プレーヤーがいたのも話題になった。
ちょうど大リーグで初めて活躍した日本人左投手も村上。時期もたしかこの頃だった。

Bobby Shew, John Scottile, Yoshito murakami, Walter BattaGello ( tp)
Jim Trimble, John Boice, Dennis Good, Mike Waverley ( tb)
Gene Quill, Pete yellin(as)
Jay Corre , Martin Frax(ts)
Steve Perlow(bs)
John Bunch (p)
Barry Zweig (g)
Carson Smith(b)
Buddy Rich (ds)

Recorded live at “Club Chez”, Hollywood、September,1966
コメント (2)
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