山クジラの田舎暮らし

岩手県北の田舎に生息する「山クジラ」です。定年後の田舎暮らしや趣味の山行きのことなど、発信していきます。

『まほろばの疾風(かぜ)』を読む

2013-12-01 06:31:45 | 読書

 おはようがんす。昨日は、町立病院の薬剤師の横領事件と1月早々に行われる町長選挙をめぐって、この横領を自らの手で告発できなかった現町長が「無競争で3選」をめざしていることについて、意見を交換し「このままではいけない」という結論になった。その他町内での今度の事件をめぐる町民のみなさんの動向について話し合った。私(久慈茂雄=山クジラ)は、「一番いいのは、現職が責任を感じて立候補を辞退し、町を立て直す見識と行政経験をもった新しい町長をつくることだと思う」と話したのに対し、彼は現職の陣営の事情や現町長の性格などから、「そうはならないのではないか」ということだった。町議会の共産党議員(久慈裕子=私の奥さん)を除く議員は「オール与党」であり、平然と出馬するのではないかということだったので、仮定話だがの「私が立候補して一石を投じるのはどうか?」というと、「大いに頑張ってほしい」という答えだった。同時に、前回町長選挙をたたかった陣営からの出馬の可能性も言及された。私のように色合いのはっきりした人物(共産党公認の岩手2区候補だった)では、批判票の受け皿にはなれても町政を変えるのは容易ではないというか、ほとんど不可能なので、もっとも理想的には「町を救う人」の擁立をめざしたいし、それがだめなら現職を打ち破れる人での共同をめざしたいと思っている。今日も、そのことで別の方と懇談をする予定である。

 そんなことをやっていたので、いったんは眠りについたが3時前に目が覚め、あとは興奮で眠れなくなった。それで4時前に配達を終え「民報ひろの12月号外」を編集し、5時30分からもう一度ふとんにもぐりこんだが眠りはこないので『まほろばの疾風(かぜ)』の続きを読んでしまった。

 『まほろばの疾風』は熊谷達也の作品で、2000年7月に「集英社」からハードカバーで出版されている。今回は、集英社文庫版で読んだ。時は8世紀末。東北には、大和朝廷に服従しない誇り高い人々がいた。彼ら蝦夷は農耕のために土地に縛られるのではなく、森も恵みを受け大自然と共生しながら自由に暮らしていた。だが、その平和も大和朝廷の侵攻によって破られる。そして、一人の男が蝦夷の独立をかけ、強大な侵略者に敢然とたたかいを挑む。岩手県の古代の英雄であるアテルイの物語である。アテルイとともに首を討たれるモレが、女性でイサワの集落の巫女であったという設定ははじめてであった。“我々は米を作ることによって、気づかないうちに自分たちの神様を殺そうとしているのかもしれない……”このアテルイの認識は、正しくも悲しいものだ。