立憲民主党 山としひろ「パワフル日記」

立憲民主党 衆議院富山1区公認内定者
44歳 
人にやさしい政治

議案第51号 江南市市税条例の一部改正について <反対討論>

2008年06月23日 | Weblog
議案第51号 江南市市税条例の一部改正について <反対討論>

 「議案第51号 江南市市税条例の一部改正について」反対の立場から討論いたします。

1. 公的年金からの個人住民税の天引き

 公的年金からそれに係る個人住民税を天引きすることは,確かに,納税の便宜を図る観点から,高齢者が窓口まで出向かずに済むというメリットがあります。同じ天引きとはいっても,納税の義務がある税の場合とそうではない保険料の場合ではその性格は異なります。

 また,自治体における徴収の効率化を図るため,全国市長会や政令都市市長会などが国に対して度重なる要望を行い,天引き実施の機運が高まってきたことも踏まえる必要があります。

 しかし,「消えた年金」「宙に浮いた年金」といった年金記録不備問題が解決されないまま,天引きを実施するのは問題です。所得税や国民健康保険税,介護保険料,後期高齢者医療保険料に加えて,公的年金に係る個人住民税までも天引きされると,老後の生活の糧がなくなってしまいます。後期高齢者医療保険料の天引きのように2分の1判定などの制限もありません。

 もっとも,生計費は非課税にするという原則に反しており,生活権やプライバシーを侵害しています。天引きを実施するにしても,天引きか窓口納付(普通徴収)か、納税者の選択に任せるべきです。



2. 個人住民税における寄付金税制の見直し

 個人住民税における寄付金税制の見直しが行われ,その目玉策としていわゆる「ふるさと納税制度」が導入されました。居住地以外の自治体などに寄付した場合,住民税の1割を限度に寄付金額から5,000円を除いた額を,居住地の住民税納税額から控除する制度です。

 しかし、住民税は,地域における行政サービスの経費をまかなうために,地域住民が能力と受益に応じて負担しているものです。居住地の自治体からさまざまな行政サービスを受けている応益原則を考慮すると,住民税は居住地の自治体に納税すべきです。同じ所得で同じ給付を受けているにもかかわらず税負担が異なると,負担と受益の関係という税の根本原則が損なわれるのではないでしょうか。

 この制度は,自治体の財政格差是正をめぐる議論の中で浮上したものです。しかし,格差が拡大した要因は何だったのでしょうか?「構造改革」によって「財政健全化」が推進され,効率の悪い部分が切り捨てられるようになりました。そのため,地方よりも都市部が重視されるようになり,「三位一体の改革」と称して地方交付税が5兆円以上も大幅に削減され,格差が一層拡大しました。地方は完全に疲弊しています。

 もともと自治体間には,人口や企業立地,地形などによって差異があり,財政格差があります。しかし,どこに住んでいても最低限のミニマムサービスは国が責任を持って保障すべきです。格差是正のためというのであれば,地方交付税を増額するのが筋です。そして,思い切って地方へ税源移譲を進めるべきです。

 格差是正を自治体まかせにし,国は知らん顔を決め込み,自治体の「自助努力」「自己責任」に転嫁することは許されません。大都会から地方へ税金がまわるというのは幻想であり,政策立案能力やメニュー,宣伝力が豊富な自治体に税金が流れ,さらなる格差拡大のおそれさえあります。

 「ふるさとに恩返ししたい」「がんばっている自治体を応援したい」と思うのはごく自然なことです。また,地方分権が推進される中で自治意識を高揚させ,税金の使い道に対する納税者の意思を反映させることも大切です。そう言われるともっともだと思われるかもしれません。しかし,別の見方をすると,自治体の財政が都市部の富裕層の意のままに左右されることになりかねません。去年は「ふるさと」(居住地以外の自治体など)に納税したけれど,今年は居住地に納めるという気まぐれな富裕層が増えれば自治体は予算が組めなくなります。税の再配分機能が弱まり,財政民主主義の根本が突き崩される危険性があります。ふるさとの自治体などを応援したいという個人の意思を尊重するならば、1993年度にできた「ふるさと寄付金控除」制度を拡充すれば済む話です。
 
 自治体間の財政格差は「ふるさと納税」のような思いつきの政策で解決できる問題ではありません。



3. 証券税制優遇の特例措置継続

 証券税制については,上限額を設けつつ,譲渡益,配当とも2年間優遇措置が延長されますが,上場株式については,いずれも一律20パーセントの税金がかかるのが本来の姿です。高額所得者や資産家優遇はやめて,きっぱりと本則に戻すべきです。

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