立憲民主党 山としひろ「パワフル日記」

立憲民主党 衆議院富山1区公認内定者
44歳 
人にやさしい政治

【議会報告】 一般質問 子どもの貧困対策について

2015年12月02日 | Weblog

 昨日午後、市議会本会議の一般質問で登壇し、「子どもの貧困対策」をテーマに約1時間にわたり質問しました。

 冒頭、子どもの貧困の定義、実態、要因、子どもの成長に及ぼす影響などについて述べた後、質問に入りました。子どもの貧困対策については、これまで繰り返し質問していますが、市当局の目立ったアクションはまだありません。今回の答弁もまだまだ積極性を感じることはできませんでした。いろんな事情があろうかと思いますが、とくにかく思い切って重い腰をあげていただきたいものです。

 以下、質問原稿をアップしますので、ご一読ください。また、ご意見・ご要望がありましたら、ご遠慮なくお申し付けください。


一般質問 子どもの貧困対策について

 

【就学援助制度】

 

(周知方法)

質問①

 文部科学省の「平成25年度就学援助実施状況等調査」等結果(今年10月発表)によると、「毎年度の進級時に学校で就学援助制度の書類を配布している市町村の割合」は67.5%、「入学時に学校で就学援助制度の書類を配布している市町村の割合」は66.6%と、それぞれ前年度よりも増えており、全体の約3分の2に上ります。

 これらの周知状況は「子供の貧困対策に関する大綱」において、貧困に関する指標として掲げられています。江南市においても、入学以降、とりわけ毎年度の進級時に書類を配布すべきですが、いかがお考えですか。

 関連して、小中学校のホームページに就学援助制度の案内を記載すること、学校からのメールでお知らせすることを提案しますが、いかがお考えですか。

 

(援助費目)

質問②

 2010年度から「クラブ活動費」「生徒会費」「PTA会費」が援助費目に追加されました。これらを追加している自治体は約2割にとどまっていますが、近隣自治体の対応はどうなっていますか。また、「生徒会費」「PTA会費」は実際、年間いくらかかるのか、今後の対応についてうかがいます。

 

(援助率)

質問③

 文部科学省は全自治体の就学援助率(2013年度)を数段階にわけて「就学援助ポータルサイト」で公表しています。さらに、文部科学省から独自に取り寄せたデータには実際の数値が明記されており、大変興味深くチェックしました。

 愛知県内、近隣自治体でも援助率には一定の幅があります。江南市の援助率について、どう受け止めていますか。また、少なくとも近隣自治体の状況を調査すべきと考えますが、いかがお考えですか。


【無料学習支援事業(地域未来塾の開設を)】

 

 子どもの貧困対策の一つとして、文部科学省が「地域未来塾」の開設を推進しています。

 経済的な理由や家庭の事情により、家庭での学習が困難であり、学習習慣が十分に身についていない中学生や高校生などに無料で学習機会を提供します。学習習慣の確立と基礎学力の定着を図り、高校進学をめざすとともに、高校中退を防止し、貧困の連鎖を断ち切ることを目的としています。

 教員志望の大学生、教員OBなどの地域住民、NPOなどの協力を得て、すでに全国の約2,000の中学校区で開設され、さらに来年度は3,500中学校区への拡大される見通しです(文部科学省 来年度概算要求額 約6.3億円)。

 文部科学省はモデルケースとして、ある自治体の取り組み事例を紹介しています。中学3年生の全保護者を対象に、地域未来塾の趣旨について周知を図った上で、学力の定着状況を踏まえ、生徒と個別面談を行い、本人に参加の意向を確認しています。長期休暇と2学期以降に120時間分の講義時間を確保し、平均参加人数は約10人、主に数学と英語を教えています。

 

質問

 国と県の交付金を活用し、地域住民の力を借りれば地域未来塾を開設できる(委託を含む)と考えますが、見解を求めます。

 また、地域未来塾以外にも、自治体が直営あるいは委託で同様の事業を行ったり、NPO法人を支援したりする動きが広がっています。

 そこで、「子ども土曜塾」を中学生に拡大することを検討されたら、いかがでしょうか。

 

【寡婦控除のみなし適用(ひとり親家庭支援)】

 

 ひとり親世帯の生活が苦しいのは今更言うまでもありません。

 厚生労働省の調査によると、ひとり親世帯のうち、母子世帯は推計約124万世帯と30年間で約1.7倍も増加しました。また、父子世帯も約22万世帯と約33%増加しました。

 ひとり親世帯の平均世帯収入は、両親と子どもがいる世帯の3分の1から2分の1ほどしかありません。母子世帯の平均年間収入は291万円、そのうち平均就労収入は181万円に過ぎません。さらに、母子世帯の就業者の約6割を占める非正規雇用に限ると、その平均年収は125万円と極めて厳しい水準にあります。

 日本の母子世帯の特徴は、就労率が8割と先進国よりも高いにもかかわらず、貧困率が高いというところにあります。本来、就労すれば所得も増えるため、貧困から抜け出すのが自然な流れですが、日本のひとり親世帯は働いても貧困、ワーキングプアの状況にあります。この間の雇用の劣化(低賃金・非正規・不安定化)や子育てとの両立の難しさがその背景にあります。

 そのため、ひとり親世帯の(17歳未満の)子どもの貧困率は54.6%と、実に2人に1人が貧困状態にあり、先進国で最悪の水準にあります。

 さて、ひとり親世帯の母子世帯になった理由は離婚(80.8%)が最も多いものの、次いで未婚の母が7.8%と死別(7.5%)を上回っています。

 江南市のひとり親世帯についても同様の傾向をみることができます。今年10月現在、児童扶養手当を受給している790世帯のうち、未婚のひとり親世帯が48世帯あります。ちなみに、生別は695世帯、死別は6世帯です。

 ところが、未婚(非婚)の母は法律上の婚姻歴がないがゆえに、税法上の寡婦控除を受けられず、不公平な扱いを受けています。税負担が重いばかりでなく、課税所得を基に算定される保育料や公営住宅の家賃でも、他のひとり親よりも重い負担を強いられています。

 

質問

 ひとり親世帯の経済的厳しさに着目し、全国各地の自治体で寡婦控除のみなし適用に踏み切る自治体が急増しています。政府においても、公営住宅の入居にあたって優遇が受けられる対象に、未婚のひとり親世帯を追加しようという動きが見られます。

 早急にみなし適用を導入すべきですが、いかがお考えですか。

 

【全庁にわたる支援策のリスト作成】

 

質問

 昨年9月定例会の一般質問で、子供の貧困対策に関わる事業をリスト化することを提案し、「実現に向けて検討する」旨の答弁をいただいています。

 国の貧困対策大綱などに沿った支援策はもちろん、関係機関の連携強化、居場所づくり、発育支援、発達相談、就業支援など長期的な対策も盛り込むべきですが、いかがお考えですか。

 

【当事者や子育て世代の意見を聴く機会の確保】

 

質問

 ここ数年間、子どもの貧困に対する社会的関心が高まり、活発な議論が行われるようになってきました。それは大いに歓迎するところですが、残念ながら、当事者や子育て世代の声を十分に反映しているとは言えません。また、市の附属機関などのメンバーにそうした人はほぼ皆無です。

 当事者などの意見を聴く機会を確保しなければなりません。また、貧困は非常に複雑な問題であり、行政だけで解決できるわけではありません。官民連携して知恵を絞ることも必要です。

 当事者を附属機関などのメンバーとして登用し、議論する機会を設けること、貧困対策を議論する会議を立ち上げること、市の基本計画策定のアンケートで貧困についての設問を入れること、ソーシャルメディアを活用すること…やれること、やるべきことはたくさんあります。このことについて見解を求めます。

 

【フードバンク事業】

 

 食べ物の無駄・ロスをなくすことと、困窮した人々に手を差し伸べること。二つの目的が結びついて「フードバンク」が成立します。

 

質問1

 市場に出荷できなかった農産物や家庭菜園の余剰農産物、食品企業の余剰食品など、食べられるのに捨てられている物は膨大な量に上ります。これを生かすことはできないものでしょうか。

 市民・企業・生産者・行政が協働し、社会全体で貧困にあえぐ人々を支えるフードバンク事業をぜひ広げていきたいですが、行政の役割についていかがお考えですか。

 

質問2

 子どもの貧困対策や子育て支援を行う上で、「食」「食べること」をきちんと位置付けることは大切であり、フードバンク事業の果たす役割は大きいと考えます。フードバンク事業についての所感を市長にうかがいます。

 

コメント
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