立憲民主党 山としひろ「パワフル日記」

立憲民主党 衆議院富山1区公認内定者
44歳 
人にやさしい政治

【訪中感想文】 社区を通じて市民自治のあり方を考える

2013年12月23日 | Weblog

 去る11月6日から11日まで、「東アジア青年交流プロジェクト」主催の訪中団に参加し、北京を訪問しました。すでに旅行前・中からTwitterやFacebookで写真をアップしていますが、区切りをつけるため感想文を書きました。ご一読いただきたいと思います。

 ご感想をお待ちしています。今後も同プロジェクトの活動に積極的に参加しますし、みなさんのご参加を心よりお待ちしています。どうぞよろしくお願いします。


 

【訪中感想文】 社区を通じて市民自治のあり方を考える

 

 今回、私が一番楽しみにしていたのが社区の見学であった。2年前、日中両政府の交流事業で訪中し鄭州市の社区を訪れた際、社区は市民自治の実践例として日本でも参考にできるのではないかと感じた。

 社区は中国特有の自治組織(コミュニティ)である。中国人にとって市政府庁舎はかなり敷居の高いところで、滅多に立ち入ることはない。住民に身近な行政サービスに関しては、行政機構の末端の社区に委ねられている。

 今回訪れた海巣HOT社区は2001年設立。18棟のマンションに約2,600世帯、7000人が居住しており、市中心部の社区としては人口が多い方だ。世代構成は高齢者が13%に対して、青少年が30%と若い人が多いのが特徴だ。

 社区のトップは、住民の選挙で選ばれた女性書記。もちろん彼女は共産党員であり、彼女のもとには20人近くの有給職員が勤務している。共産党と北新橋街道(上級組織)の指導を受けつつ、日々住民と接している。高齢者福祉(例として60歳以上の高齢者の買い物のおつきあい、誕生日に長寿麺のプレゼント、足のケア)、訪問医療、ごみの分別回収、ワクチン接種、子ども・女性政策に至るまで、実に幅広い活動を展開している。予算や給与は国から支給されている。

 また、社区内にはユースクラブが組織されている。各種イベントの企画(婚活や友達づくりの企画も)、趣味のクラブ活動、ボランティア活動などに4,000人の若者が携わっている。最も印象に残ったのは無料学習塾。貧しい地方出身者を対象として、大学生が国語、数学、英語を教えており、毎年有名大学への進学者を多数輩出している。

 こうした事例を紹介すると、日本の自治体やNPOなどの公益的事業と重なる部分が多いことが分かる。

 改革開放以前の中国では、国有企業などの職場が雇用を保障し、生活支援も職場単位で行われていた。しかし、都市化や市場経済の浸透とともに、職場単位での社会管理が成り立たなくなり、互いの顔が見えなくなったため、社区の設置が奨励されたという。一方、国のかたちは全く違うものの、日本も同じような経験をしている。右肩上がりの時代、長時間労働がざらであった反面、会社は終身雇用と家族を含む福利厚生を保障していた。ところが、グローバル化の波にさらされて、規制緩和の名の下で雇用破壊が進んだ。

 もはや組織にしがみついて生きていくことはできない。組織に属していても、安閑としてはいられない。良くも悪くも、自分のことは自分が責任を持ち、主体性を持って生きていかねばならない。日本も中国も、市民が手がけるまちづくりという十分には開拓されていない領域に踏み込んでいくことになろう。

 尖閣諸島の国有化、防空識別圏の設定、歴史認識………昨今、日中双方いがみ合ってばかりだが、住民生活を取り巻く課題や悩みは共通点が多い。少子高齢社会の到来、自治体財政の硬直化に直面する中で、行政⇔住民という従来の枠組みのまちづくりは、時代に合わないのは明白だ。社区のような新しいコミュニティを介して、多様化する住民ニーズに応えていけるよう、市民自治のあり方を模索していきたいものだ。中国で起きていることを他人事ではなく、自分たちの生活に置き換えて考えていく必要がある。

 

おわりに

 

 訪中前、私が「今度、20人以上の若者と一緒に中国・北京に行って交流してくる」と周りの人々に話すと、「中国はちょっとねえ………」「中国の大気汚染はひどい」「何を食べさせられているか分からない」といった反応ばかりだった。残念ながら、日本社会の中で中国(人)に対する印象はすこぶる悪い。悪化した日中関係の改善は容易なことではない。

 現在私にできるのは、訪中で学んだことや思い出を友人や知人に語り議論すること、中国社会の様子を細目にウォッチングすることぐらいだ。しかし、何もやらないよりもやった方がましだ。今後とも東アジア青年交流プロジェクトの活動に積極的に参加し、若者のつながりを軸として、また市民自治の視点で日中友好の輪を広げていきたい。

 末筆ながら、お世話になった日本の仲間、中国の友人に心から感謝申し上げる。

(故宮博物院前にて)

 

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12月22日(日)のつぶやき

2013年12月23日 | Weblog

人件費抑制で「被災地へ」、部長級5人退職選ぶ(読売新聞) - Y!ニュース headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131222-… 被災地は島流しの地でも、左遷先でもありません。被災地を冒涜していることに強く抗議します。


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