公共サービス基本法への対応について~公共サービスの立て直しのために~
2009年5月13日、参議院本会議で公共サービス基本法案が全会一致で可決され、7月1日に施行されました。
質問1
公共サービス基本法をどのように評価していますか。法制定の背景や公共サービスの定義も踏まえて答弁してください。
質問2
各部署や委託先事業者に対して、公共サービス基本法の趣旨や内容を説明し、周知徹底を図りましたか。
質問3
現在、指定管理者制度に代表されるように、江南市は、行政サービスの民間委託を積極的に推進しています。その状況を前提として、第8条(公共サービスを委託した場合の役割分担と責任の明確化)と第11条(公共サービスの実施に従事する者の労働環境の整備)は、マイナス面や問題点を是正・改善しようとしたものと解されます。
特に、第11条に言及すると、地方自治体に対し、自らのあるいは委託先の適正な労働条件やその他の労働環境に責任を持つことをはっきりと要請しています。
委託先事業者の労働者も、公共サービスの担い手、支え手です。
公契約条例の制定が難しい(3月議会答弁)としても、種々の規定や契約などを見直し、実効性を持つ取組み体制を確立していくことが求められています。
例えば、委託先事業者の労働者の賃金などの労働条件を検証すべきです。特に、賃金については労働者全員分の賃金を把握することはできても、ひとりひとりの賃金についてはよく分かりません。
委託金額を積算する際、賃金についても一定の金額を設定しているでしょう。単に最低賃金を上回っていたらよいのでしょうか。委託契約(労務提供型請負契約)で適正基準(標準的人件費単価)を設定することが必要です。
このことについて、見解を求めます。
関連して、積算項目として、人件費は含まれていないのですか。
また、コスト削減の目標額はどのようにして決めていますか。
質問4
行政サービスの民間委託においては、労務提供型請負契約が結ばれています。しかし、ダンピングと疑われる事例が、全国の地方自治体で相次いで発生しています。昨年3月の参議院予算委員会において、当時の総務大臣が、「ダンピング防止に向けて、地方自治体に低入札価格調査制度と最低制限価格制度を設けるよう要請している」旨、答弁しています。
江南市では、建設工事の一般競争入札で最低制限価格を定めています。
労務提供型請負契約のほとんどを占めるのは人件費です。低価格で落札すると、そのしわ寄せは労働者に及びます。労務提供型請負契約にも最低制限価格制度の導入を行うべきですが、見解を求めます。
質問5
理念法である公共サービス基本法の意義を理解し、事務事業で活かされなければなりません。公共サービス基本条例の制定を検討すべきですが、見解を求めます。
質問6
地方自治体は、先行して、公共サービスの多様化や担い手の多様化に直面し、具体的で現実的な検討や対応を図っています。そのため、公共サービス基本法を受けて、自らの既存の取り組み、とりわけ行政サービスの民間委託とNPO等や地域コミュニティとの協働の取り組みを今一度点検し、どのような政策展開を図るべきかを考える必要があります。そして、行政サービスの民間委託や協働になじまない自治体の責任領域を見極めることが必要です。また、自治基本条例(案)や「経営改革プラン」(案)など条例(案)や各種計画と、公共サービス基本法との整合性を図る必要もあります。
このことについて、見解を求めます。
第8条(公共サービスを委託した場合の役割分担と責任の明確化) 国及び地方公共団体は、公共サービスの実施に関する業務を委託した場合には、当該公共サービスの実施に関し、当該委託を受けた者との間で、それぞれの役割の分担及び責任の所在を明確化するものとする。
第11条(公共サービスの実施に従事する者の労働環境の整備) 国及び地方公共団体は、安全かつ良質な公共サービスが適正かつ確実に実施されるようにするため、公共サービスの実施に従事する者の適正な労働条件の確保その他の労働環境の整備に関し必要な施策を講ずるよう努めるものとする。 |