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先輩

2020-01-22 11:04:15 | 日記
高校2年になるときに、茨城の県立校から都会の私立高に転入学した。いろいろと馴れないこと、珍しいことがあったが、同級生に先輩がいるというのも初めてだった。この先輩というのは留年生である。当時の言葉で言うと、ダブった奴だ。1年生を2回やり、2年生も2回なんていうのがいる。つまり2歳上である。みんなから<さん>づけで呼ばれることになる。病気でダブったのではない。学力不足なのだ。中には九州の炭鉱会社の社長の息子もいた。女中を連れて来ていて、一軒家に住んでいる。もちろん金はある。時々は、新宿の2丁目(赤線宿)から登校したりする。顔もオトナ風だから、学帽を脱いでコートの衿を立てれば、充分にハタチ以上に見えた。級友とは遊ばない。麻雀は打たない。どこか得体の知れぬ感じがあった。3年生にはならなかったようだ。街の不良グループに入ったという噂があった。

84歳の私はたいていの所で最年長である。親戚の中で、私より上はいない。昔のサラリーマン時代の仲間のパーティーには1歳上が1人だけいるが、茨城時代の知己にはもう先輩はいない。いま住んでいるマンションにも年上はいないのではないか。いれば、家人か娘が、「あそこのおじいさんは」という話をすると思うが、それが無い。

デイケアサロンには10歳上のKさんがいる。麻雀仲間である。サロンでの84歳は真ん中あたりではないか。Kさんは私以外の人とは昔話をしない。話が合わないからだと思う。私は若い頃、よく軍隊酒場で呑んで、先輩方と唄ったり、喋ったりしていたので、Kさんの話に合わせることができる。先輩と話すのが好きだ。それが少なく、少なくなっていく。

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