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酒の力

2018-02-13 09:38:05 | 日記
人間を2種類に分けることがよくある。私の友人に、それが好きなのがいた。本をよく読む人間と読まない人間は、顔を見ただけでわかるとか、野球鋤の人間は巨人ファンとアンチ巨人の2種類しかいないなどと語っている。

サラリーマン時代に購買課に長くいた。会社は一流自動車会社の一次下請だったので、仕事は二次下請のいわゆる町工場が相手だった。50人以上のところもあれば、家内工業的な2,3人のところもあった。小さい工場でも特別な技術を持っている場合もある。うちの会社には無い機械を備えていることもある。仕事の半分は町工場のオッチャン相手の交渉にあった。自動車産業が好況の時代だったら、工賃に関することはそれほど交渉対象にはならなかった。交渉の多くは時間のことだった。下請のオッチャンに、時間の無理を頼むのである。5日間かかる仕事を3日で頼むと無理を通すのである。長時間の残業や徹夜を頼むのである。

人間には2種類ある。呑める人間と呑めない人間である。町工場のオッチャン達に、呑める人間が多かったことで、私はうんと助けられた。或る面倒な仕事があって、それを徹夜で仕上げてもらう。次の日の夜に酒場に誘う。「ゆうべはありがとうございました」。仕事の話はそれだけである。あとは雑談で呑む。安キャバレーへ流れて、ホステスという名のネエちゃんの酌で呑む。これ以上のコネはない。オッチャン達は私の父親ほどの年齢の人もいる。それでも一種の友情ができあがる。だから呑めないオッチャンとの付き合いは難しかった。会社の同僚との付き合いも、酒の縁が多かった。酒の力が大きい時代だった。

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