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器用な人

2017-11-16 01:00:37 | 日記
戦前に撮影された写真が何十枚か残っている。写真館での7ものなどが多いが、素人が撮ったものもあって、それはすべて叔父のT雄のカメラによるものである。私の父には弟が4人いて、T雄はそのいちばん下で、父との年齢差は15ある。カメラを持っているのはT雄だけだった。何事にも器用だった。学校は理系でなく、同志社大学の法科に進んだが、在学中に車の運転免許を取っていた。いまでは当然のことだが、昭和19年に学制で免許を持っているのは、ごくわずかだった。ラジオの修理、私の子供用自転車の整備から、台所の棚の作成に至るまで、とにかく手先の器用さを必要とするものは、T叔父の担当だった。

器用な人間というのは、私のような不器用人間とは頭の出来具合が違う。たとえば、ここに裸のウィスキーボトルと四角で平たい菓子箱があったとして、それを包装紙に包んで誰かに送ろうとしたとする。さて、この2つを何んしてまとめるか、どうやってしっかりとした小包にすればよいか。不器用人間は、どうやって包んでもシッカリはしない。器用人間なら、1分か2分考えれば簡単に壜も箱も神の中にきれいにおさまることになる。鮮やかなものだ。

家人が春巻きという料理を作るのを見ていると、「上手いなぁ」と思う。器用な人だと感心する。春巻きの最後の方(包み上げ)は台所でなく食卓の上で行うので、何度も見ているが、そのたびにそう思う。昔、三軒茶屋の中華店でバイトをしていたとき、店の主人が「リョリハ チュンピ(料理は準備で決まる)」と言っていたのを思い出すが、「リョリハ ユピサキ」のような気がして来る。器用な人間は指先の間隔が普通の人とは違うような気がしてくる。

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