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2012-10-01 23:11:33 | 日記
「今が、一年中でいちばん好い気候」という言い方があって、春秋それぞれの中ごろの、つまり冷房も暖房も要らない期間であるが、そんなときに、私は、自分だけが汗をかいていることに気付くことがあった(さすがに70歳を過ぎてからは、それはないようだ)。 とにかく、私は暑がり・汗かきの体質だった。肥満体のこともあったが、私と似た体型の人間でも、さほど汗かきでないのが何人もいたから、基本は生まれつきということだろう。ゴルフが下手だった。草野球では、動いている球を打棒でミートする技術に長けていたが、ゴルフでは停止している球をまっすぐに飛ばすことができなかった。 私のゴルフの目的は、汗を流した後のビールにあった。18ホール(時には27ホール)をまわり、風呂に入ってビールを呑むと、身体中の水分がすべて入れ替わる感じになった。  玉電の若林駅を降りると、荒井恵子さんがホームの隅に人待ち顔で立っていて、その前に大きなスーツケースがあった。荒井さんは、NHKのど自慢出身の歌手で、我が家のトイメンにあった天地真佐雄さん(のど自慢や、3ツの歌などのラジオ番組のピアニスト)のけいこ場(越山あつ子さんとの愛の巣)へよく来ていたので、私は自分が近所の人間であることを告げ、スーツケースの運び役を申し出た。暑い日だった。私は右手にケースを持ち、荒井さんは右手で私に日傘をさしかけてくれた。 私の左腕と、ちょっと太めの愛嬌のある顔の流行歌手の右腕が触れ合い、2人の汗が混じり合う。荒井さんは25,6歳だったか。私は高校2年生。  思い出の汗というのも、人生にはある。

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