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耳ざわり

2010-12-27 23:21:16 | 日記
「見づらい、着づらい、食べづらい」という言い方が嫌いだ。嫌いというより、汚い感じがする。標準語の代表とも言えるNHKでも使っているのが変は気がする。 耳ざわりの点から言っても、「見にくい、着にくい、食べにくい」の方が、ずっとキレイではないか。 父方の祖父の茨城の田舎村の出身で、祖母は東京・日本橋の老舗帽子店の娘だったから、子供達も私も言葉に関しては祖母に倣った。 祖父が「だっぺ言葉」を使っていたわけではないが、海老はイビ、駅はイキ、越後はイチゴだったから、私が真似て「イキのプラットホーム」なんて言うと叱られた。 祖母は言葉の誤りよりも、耳ざわりのことを大事にしていた。 昭和14年から終戦まで、我が家は兵庫県芦屋市にあって、幼い私と8ツ上の叔母は関西弁を使っていたが、祖母はそれを好んでいないようだった。私がときどき、「おはようさん」などと大阪系の言葉を使うと、「そんな下品な言葉を真似してはいけません」と叱られた。どこが下品なのかを祖母に訊いてみると、「おはようさん」の「さん」だと教えられた。 そのときはわからなかったが、いま思えば、この場合の「さん」は、たしかに上質ではない感じはある。 着れる、食べれる・・・のような“ら”抜き言葉や、「癒される」といった言葉を私が嫌うのは、すべて祖母の影響であるだろう。 言葉に関する感覚は、たぶん幼い頃に作られるのだろうと思う。

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