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アルバイト時代

2018-06-30 12:38:31 | 日記
婦人子供洋品店の仕事(主として売り子役)を午後4時に終えて、すぐ近くの麻雀店に行く。客はまだ大学生の4人組だけだ。ママさん(経営者の妻)が買い物に出かけようとしている。「ちょっとお願いできる?」、そうやって私が店番を引き受ける。4時半にヤクザの4人が来る。ポット(
魔法瓶)の中のお茶を出そうと用意すると、「ビール2本」と声がかかる。サイドテーブルにビールとグラスと小袋に入ったピーナッツを出す。「30分まけておいてくれよ」、雀代は時間単位の場合と半荘単位のケースがあって、4人組は前者である。30分オマケとは、実際は4時半にゲームが開始されても、料金伝票には5時と記入することだ。もちろん言われたとおりにする。ヤクザが怖いというよりも、パチンコで当てたときなどに景品を現金化してもらったりしていて、顔見知りだからである。ついでにビールも1杯ご馳走になる。ママさんが戻って来るのは6時近くで、その頃は、もう4,5卓が埋まっている。マスターは別の雀荘でレートの高い麻雀を打ったりしていて、店に来ない日もあった。雀荘と私との間には労使契約はない。その日その日で、「今日は大変だったわね、ご苦労様」と封筒をくれた。中身は100円札3枚か5枚、月末などに千円札が入っていることもあった。前記の洋品店は1日(7時間)500円の労賃だった。

現在はアルバイトというと極安い時給で働くといったイメージがあるが、昭和30年の初め頃はバイト生活はちょっといい収入になった。カケモチができた。東京下町の衣料問屋で仕事をして、帰りに三軒茶屋の中華屋で客に送る請求書を書いたりすると、おいしい夜食が出たりした。私にとってバイト時代は、いい思い出である。私が大学を途中で辞めた理由は、自分には学問より労働が合っていると思ったからだった。その下敷きになったのがアルバイトあれこれだった。

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