Takepuのブログ

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外国籍中国人俳優

2009-08-22 00:52:01 | 映画鑑賞
 中華人民共和国建国60周年の国慶節(建国記念日=10月1日)に併せて制作された愛国映画「建国大業」について、出演している約20人の俳優たちが、中国国籍でなく、米国、カナダなど外国籍を持っているとして「愛国映画に出演する資格があるのか」と、バッシングを受けている。
 新華社によると、この映画には、毛沢東役で有名な唐国強や「初恋の来た道」でスターダムにのし上がった章子怡(チャン・ツィイー)のほか、香港から劉徳華(アンディ・ラウ)、成龍(チャッキー・チェン)、黎明(レオン・ライ)らの超有名スターが「友情出演」しているという。最近、中国の芸能界では多くの映画監督や俳優らが外国籍をとるのが一種の流行になっていて、陳凱歌監督と陳紅夫婦、蔣雯麗(NHKドラマ「大地の子」で主人公の陸一心の妻を演じた)が米国籍、徐帆や陳明がカナダ国籍をとっており、外国籍を取る能力がないものは湯唯(「色戒=ラスト・コーション」で衝撃的な濡れ場を演じた)のように香港の市民権を得たりしている。
 そうはいっても流行というより、日本に来るにもビザが必要だったりするなど、諸外国からの信用に乏しい中国のパスポートだけでは、国際的に活躍する野心を持っている俳優らにとっては、まことに不便だ。可能ならば、ノービザで多くの国にいける米国やカナダ、日本などのパスポートを便宜的に手に入れたいのは理解できる。
 それと、中国人としてのアイデンティティーはまったく別の話で、中国人は古来、外国に出稼ぎに行って、その場に住み着いて華僑、あるいは華人として生活していても、中国人であるとの考えを捨ててはいない。それと同じことだと思うのだが。六四(1989年6月4日の天安門事件)以降の偏狭な愛国主義教育を受けた視野の狭い一般中国人民は、外国籍をとるための経済的、文化的条件も持っておらず、単にひがんでいるだけなのか、中国共産党が好きなのか、余計なお世話である。
 さらに、そもそも「愛国映画」に出演するためには政治審査が必要なのだろうか。俳優たちだって共産党による政権が出来たことに喜ぶ、ということよりも、大きなマーケットを予想できる映画に出演することでお墨付きをもらい、今後の中国大陸での仕事をスムーズにやりたい、と考えているのでは。


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