中山道ひとり歩る記(旧中山道を歩く)

旧中山道に沿って忠実に歩いたつもりです。

・芭蕉の道を歩く
・旧日光街道を歩く

大雄寺と芭蕉の館(芭蕉の道を歩く 29)

2012年12月06日 10時41分46秒 | 芭蕉の道を歩く
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(大雄寺)
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(那須・黒羽5)
修験光明寺跡をでて凡そ四キロ、那珂橋西の信号を右折して、
那珂川を渡る。落ち鮎の簗漁(やなりょう)が盛んな所で、
生きの良い鮎の塩焼きが食べられるのだが、
時間も迫っているし、場所も知らない。
橋を渡って最初の信号を左折すると、黒羽観光交流センターへ出るはずである。
信号を左折すると黒羽観光交流センターはすぐ見つかった。
大田原市役所の黒羽庁舎の中にあるからで、
庁舎は大きな駐車場を備えた立派な建物である。

黒羽観光交流センターを右に見て、最初の交差点を右折すると、
道路は上り坂になり道なりに行くと左手に石柱が見える。
大雄寺で、手前左側に駐車場もある。
その先三~四十メートル左に芭蕉公園入り口があるはず。

先ずは大雄寺に入る。
参道入り口の両側に石柱があり、
右側に黒羽山、左側に大雄寺の文字が見える。
少し行くと長い階段が見え、
数段上に右手に「不許葷酒入山門」の石柱が建っている。
(「葷酒(くんしゅ)山門に入るを許さず」と読み、
葷酒はねぎ・にらなど臭気のある野菜と酒のことで、
臭気と酒気のある者は山門内に入る事を許可しない、という意味。
永平寺など禅宗のお寺の門前に建てられている事が多い。)

(不許葷酒入山門の石碑)
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石の階段を上がっていくと、左右に仁王の石造が置かれている。
右側が阿形の仁王で左が吽形の石造で、
その間の階段を登ると、山門がある。
山門を抜けると、左手に観音菩薩立像があり、
「黒羽藩主大関氏累代の墓」の案内が左を指している。

(右側の吽像)
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(左側の阿像)
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(黒羽藩大関氏累代の墓の案内が見える)
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さらに先にある階段を登ると「大雄寺参禅道場」の墨痕鮮やかな看板が見える。
ここは禅道場への渡り廊下になっている。
渡り廊下を跨ぎ通ると、横に長い見事な総茅葺の本堂、
参禅道場、庫裏が見える。
先客はあるものの、鳥のさえずる声が聞こえるだけで、
水を打ったように静かである。
静かに手を合わせ、頭をたれて本堂から下がる。

(大雄寺参禅道場)
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(渡り廊下)
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(茅葺の本堂)
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大雄寺を出て、少し進むと右側に駐車場があり、
芭蕉公園駐車場と書かれている。
左側には、大きな「芭蕉公園」の看板がある。
山道を入ると、すぐ左に階段があり、その上の方に旧浄法寺桃邸跡がある。

芭蕉は「おくのほそ道」に次のように書いている。

「黒羽の館代浄法寺何がしの方の音信(おとづ)る。思ひがけぬ主の悦び、
日夜語りつづけて、其の弟桃翠など云うが、・・・」
とある。

芭蕉は黒羽藩大関氏の城代である浄法寺桃雪の家を訪ねた。
大層歓迎されてよほど居心地が良かったのであろう、
其の弟桃翠の家にも泊まったりしながら、
14日間も滞在している。

ここに芭蕉句碑、

・山も庭も 動き入るるや 夏座敷  芭蕉

がある。

(芭蕉公園の入り口看板)
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(旧浄法寺桃雪邸)
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(「山も庭も・・・」の句碑)
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さらに進むとT字路となるので、ここは右折すると左手に飲食店があり、
又道路にぶつかる。

途中の芭蕉句碑、

・田や麦や 中にも夏の ほととぎす  芭蕉

がある。

(「田や麦や・・・」の句碑)
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ここを左折すると、竹薮の中を通るようになり、
右へ上る階段がある。
進むと広場に出て、「芭蕉公園」である。
山間部にしては、かなり広い場所で、広場の左手に句碑が建っている。

・鶴鳴くや その声に芭蕉 やれぬべし   芭蕉

とある。

(竹薮の道)
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(芭蕉公園)
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(句碑がある公園)
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(句碑「鶴鳴くや・・・」)
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その先、左手にもう一つ昇りの階段とその上に東屋があり、
昇っていくと芭蕉の館が、広場の向こうにある。
広場の左には、史跡「黒羽城址 三の丸跡」の標柱があり、
その奥に「奥の細道」の文学碑とともに、

・かさねとは 八重撫子の 名成るべし  曾良

の句が載っている。

(もう一つの階段道と東屋)
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(芭蕉の館)
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(黒羽城址 三の丸の標柱)
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(「かさねとは・・」の句がある文学碑)
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芭蕉の館前には馬に乗った芭蕉と曾良の銅像があり、
その脇にも文学碑が置かれている。

館の中の電灯が気になり、早々と芭蕉公園を出る。

(芭蕉の館2)
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(騎馬の芭蕉と曾良の銅像)
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もうすこし あれと願う わがままに 
           時は静かに 流れ行くなり   hide-san