森の中のティータイム

離婚を経験し子供達も独立 
暮らしの小さな発見をノートに。

This is it を観てきました

2009-10-30 | マイケル・ジャクソン
上映2日目の昨日、朝一に友人と二人で行ってきた。
前夜、初上映を観た昔のファン仲間から電話があり、感動した
様子で「何度も観たくなるし、コンサート思い出すよ!」と聞いていたし
下の娘の方にも、大ファンの友人から大興奮の電話が入っていた。

なので私も、気持ちを切り替えてこの4ヶ月間の涙をここで終わらせる
チャンスにしよう・・なんて勢いで臨んだ。
だけど、始まってまもなくのところで「撃沈」。


いきなり冒頭のダンサーオーディションのシーンで、泣いてしまった。
彼らが選ばれた時の様子をネットで見た時のことが、昨日のことのように
脳裏に蘇ってきた。子供の頃から憧れ、尊敬して止まない人と仕事が出来
るという彼らの緊張と歓喜が、映像からも伝わってきて、思わずもらい泣
きしてしまった時のこと。

マイケル亡き後も、そのうちの幾人かへのインタビューで、彼らの思いや
無念さを知っていたから尚更。
彼らがどれだけ嬉々としてこのリハに臨んでいたかも、全編で伝わってくる。

久々に聴くことができる新しいマイケルの生の歌唱は、素晴らしい声も
その才能の閃きも健在というより、より進化していると私には思えた。
曲の合間や終わりに効かせるアドリブは、blackである彼の真骨頂とも言
える部分。

映画では特に、I Just Can't Stop Loving You がすごかった。
途中、ちょっと歌詞間違えてた気がするけど、ラストにマイケル節が
炸裂する。

歌唱もさることながら、ショウとしての作りこみも、格段に進化していた。
デンジャツアーからの、息の合ったオルテガさんとの間に育まれた信頼関係
が、ここでもよく分かる。「This is not it」では共犯とも言われた彼だが、
私はそこは違うと信じたい。

マイケルが伝えたかった「愛」を、彼は形にしてくれようとしていたし、
この映画でも充分伝わってくる。「4年で地球の自然破壊を食い止めよう」
という、これまでよりも一歩踏み込んだより強いメッセージも、美しい映像
の世界から直に胸に深く沁み込んでくる。

同じ時間、少し離れた(マイケルが映画鑑賞した)場所で観ていた
友人が、昨夜電話でこう言っていた。
「映画に集中しなければと思いながら、この22年の間の様々なことが
頭をよぎり、堪らなかった」と。

同じように、私たちも映画の間中、心が苦しくて切なくて、迷惑に
なるから泣いてはいけないと思いながら堪えることが出来なかった。

あの裁判の初め、「大丈夫だよ」というファンへのアピールに
車の上にまで乗ってメディアからこき下ろされていたマイケルが、
裁判が進むにつれ、日々やつれていく様を見ながら、
「もうこんな思いはたくさんだよね?生きててくれるだけで充分だか
ら」と思ったこと。

どんな時にもファンにだけは「アイ ラブ ユー」と言っていたあのマイケ
ルの、判決直後、軽く手を上げる挨拶さえ辛そうに見えた憔悴しきった姿を
目の当たりにした時のこと。
ここまで苦しめられたこんな業界に、もう未練などないだろうと思ったこと
・・・それらが次々に脳裏をよぎる。

けれども彼はそこから立ち上がろうとした。ここまでやり遂げようと
頑張っていたんだ・・。その姿に圧倒され、泣きながらも不思議に時には
身体がリズムを刻む。その人柄を表す言葉にもクスリと笑うことも。

感想はその立場で様々だろう。それでいいし、先入観は要らない。
観たまま感じたままでいい。

今回話題になったことで、初めてマイケルの仕事に対する姿勢を見る
チャンスを得た人も多いと思う。
ゴシップというフィルターを通して見ることしか出来なかったマイケルでは
なく、今見た、それこそが、本当のマイケル(の一部)なのだということを、
せめて心に焼き付けて欲しい。

友人が言っていた。
「私は、人を見る目がないとよく言われるけど、この人の真の姿が、
 最初のステージだけで解った。この事だけは誇りに思う」と。 
私も「これだけは自分を誉めてやりたいよ」と返した。
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