富岡製糸場世界遺産伝道師協会 世界遺産情報

「富岡製糸場と絹産業遺産群」は日本で初めての近代産業遺産として2014年6月25日付でユネスコ世界遺産に登録されました。

前前橋工業高校校長村田敬一先生の「シルクカントリ-群馬の建造物史」講演会が開催されました

2009年10月15日 21時37分52秒 | 世界遺産伝道師協会
前前橋工業高校校長村田敬一先生の講演会が開催されました

10月11日(土)14時~16時、群馬県庁昭和庁舎2階で、村田先生の退職および出版を記念しての講演会がNPO法人 住・環境支援ネット主催で開催されました。

講演会は伝道師のS.Sさんが窓口をされています。

演題は「シルクカントリ-群馬の建造物史」でしたので、伝道師も数多く参加しておりました。(H.N、M.M、Y.I、K.N、C.Y、K.H、K.K、他)
 
公演内容は、1.産業遺産の建造物的価値、2.世界遺産登録を目指す絹産業遺産群、①主な遺構、②建造物から読み取ること、③登録への課題、3.近代建築の見方、①近代建築、②洋風建築と和風建築、③和洋折衷建築、4.歴史的建造物の保存と活用、という内容でお話をされました。
 
産業遺産の位置付けは、(イ)時代が新しくても貴重である、(ロ)近代~産業革命(工業化)、市民革命その産物である工場・市役所・学校など、と定義。
 建造物から読み取ることとして、富岡製糸場、新町屑糸紡績所、富沢家住宅、について、その価値を説明いただきました。
 
登録への課題として、(イ)更なる建造物調査の実施―木骨煉瓦造の歴史と普及、関連遺産調査の早期実施、(ロ)絹遺産群のコンセプト、(ハ)整備と活用についてー個として群として、(ニ)残したいという地元の意志、を挙げられました。
 
まとめとして、群馬における絹産業建造物を洋風と和風(和洋折衷)の視点から見直してみるー(イ)そこには日本の近代化の過程、日本の異文化への対峙の仕方が見える、(ロ)職人による日本の近代化として、日本は西欧化したのではなく、伝統的な日本の中に、西欧を取り組むことで独自の近代化をひたいと、(ハ)近世以降の建築の基礎がそこにあり、そこに異質な洋風の技術や様式が混入した。伝統の継承制を軸に据えないと日本建築史が連続しない。
 
歴史的建造物の保存と活用の中で、群馬の歴史的建造物調査の実態として、調査が済んでいる自治体は数えるほどしかない、として建築関係者の積極的な参加を呼びかけられました。また行政と共に行うことの必要性、経験を積むことの必要性(お金は後からついてくる)を訴えられました。
 
我々が伝道活動をする上で、活用できる多くの情報を頂くことができた講演会でした。
(k.k記)
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