goo blog サービス終了のお知らせ 

花ぬすびと 

2025-07-13 03:04:39 | フォーク&ニュー・ミュージック
明日香



花ぬすびとの 伝説が
別れ話のはじまりでした
私が話す伝説を貴方は笑って聞き流す
ごめんね ごめんね ごめんなさい
ごめんね ごめんね ごめんなさい
あなたには私のひざの上
白河夜舟の波枕

※二度咲き 夢咲き 狂い咲き
季節でないのに花が咲く
二度咲き 夢咲き 狂い咲き
人の心も また同じこと※

白樺めばえる 春の日に
秋の花が 欲しくなる

人の心に 咲く花は
育ちやすく枯れやすく
野の草分けて 吹く風は ぬすびと伝説物語る
ごめんね ごめんね ごめんなさい
ごめんね ごめんね ごめんなさい
私の花をぬすんだ人は
野分きのようにかけぬけた

(※くりかえし)

野分きが渡る 秋の日に
夏の花を追いかける

☆ごめんね ごめんね ごめんなさい☆

(☆4回くりかえし)
(※くりかえし)





「花ぬすびとは風流のうち」という言葉があります。

人の家の庭先に咲く桜の花の枝を折って、持って帰ろうとした人がいても、それは花の美しさに引かれた風流心からであるから、それを見咎めて、

とやかく言わずに大目に見てやりなさいというほどの意味です。

確かに、花を愛する風雅の心から、花を一枝、花一輪を盗んだからと言って、声を荒げて、盗人(ぬすっと)呼ばわりするのは酷かもしれません。

しかし、法律的には、もちろん、この行為は窃盗罪の構成要件に該当します。

刑法第235条【窃盗】
     他人の財物を窃取した者は、
     窃盗の罪とし、十年以下の懲役に処する。

もっとも、法律の条文がこのように規定されているからといって、ただ杓子定規に適用されるのであれば、法律相談所に行列はできません。(笑)

もし検察官がこの罪状により起訴したとするならば、おそらく弁護士は、犯罪として刑罰を加えるに値する程度の違法性、可罰的違法性があるかないかを

論証していくでしょう。

そして、おそらく花ぬすびとは風流心からの行為であり、財物といえど経済的な価値はほんの些少なものであり、可罰的違法性はないから、

犯罪の構成要件を欠くとして無罪を主張すると考えられ、また、おそらくは、裁判所もこれを認めるものと思われます。

しかし、ある公園の花の管理を担当している方に聞くと、花ぬすびとが増えるのは、花の盛りの頃ではなく、春や秋の花壇の植え替えの時期だそうです。

植えたばかりの花の苗や、植木ごと、根こそぎ盗まれるときもあるそうです。

自衛のために巡回して、花ぬすびとを捕らえてみると、自転車(ママチャリ)に乗ったご婦人か、犬を散歩させているご婦人が多いそうです。

自転車の前カゴの買い物袋や、犬の糞の始末のための袋に入れて持ち帰るそうです。

そして、それを見咎めて注意すると、これはホームセンターで買ってきたものと、見え透いたシラを切りとおすか、あるいは開き直って、

花ぬすびとは罪にならないのよ、と主張するのだそうです。

なんか、違うやろが…って思いませんか。

ドストエフスキーの長編小説、罪と罰を持ち出すまでもなく、可罰的違法性が軽微だから、罰せらないということと、罪を犯していないということとは、

同じではありません。

少年が少年法の規定により、刑罰が減軽されるとしても、悔い改めて罪を償っていくことまでが、軽減されるものではないのと同じです。

そして、罪の償いは、刑罰に服する以上に、なによりもまず、心からの謝罪から始まるべきです。

この春は 花の下にて縄つきぬ
       烏帽子桜と 人や見るらん
                        「花盗人」  狂言

その昔、あまりの桜の美しさに,その枝を折り取ろうとして捕らわれて、桜の木に縛りつけられながら、このような和歌を詠める風流な心が、

盗人として縄を打った人の心を動かしたからこそ、許されたのです。

けっして、花ぐらいなら盗んでも構わないだろう、一枝くらいならいいだろう、ということではないのです。

花ぬすびとは罪にならない、と開き直って主張する母親に育てられた子どもはどう育つのでしょうか。

笑って聞き流せないはなしです。

そういえば、新規に開店した店先に飾られる開店祝いの花も、最近は、開店を待たずして、店先に並べられたと同時に持ち去っていく人が多いそうです。

もともとは、あくまで開店に際して、多くの客が絶え間なくやって来て、飾り花を一輪づつ、持ち帰っていくという、千客万来を寿ぐ風習として、

持ち帰るのが許されるのに、自己中心的な考えで、客にもならずに花だけ持ち去っていくようになってきました。

このままでいけば、結婚式のウェディング(ブライダル)ブーケも、挙式後、後ろ向きに立った花嫁が、独身女性に向かって投げるブーケトスを待たずに、

略奪していくような習慣ができそうです。(笑)



























































































































































この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 波浮の港 | トップ | 三人家族 »
最新の画像もっと見る

フォーク&ニュー・ミュージック」カテゴリの最新記事